欧州人権裁判所(フランス・ストラスブール)は14日の大法廷判決で、多国籍企業に対するルクセンブルクの税優遇措置に関する秘密の文書を内部告発として記者に提供した元大手監査法人職員を刑事裁判で有罪としたのは表現の自由の侵害だと判断、同国に対し、賠償金と訴訟費用計5万5千ユーロ(約784万円)を元職員に支払うよう命じた。 判決は、多国籍企業の課税逃れが問題視されていた中「情報の公表がもたらす公共の利益は損害を上回る」と指摘した。刑事罰は内部告発を思いとどまらせる効果があり「民主社会では不必要だった」として欧州人権条約違反と判断した。元職員はルクセンブルクで訴追され、罰金千ユーロの有罪判決を受けていた。 人権裁や報道によると、元職員はフランス国籍のラファエル・アレさん。監査法人プライスウォーターハウスクーパースで勤務していた2012年、ルクセンブルク当局に対する多国籍企業の税申告文書などを記者にリ