脱炭素社会の実現のために、藻類バイオマス燃料が再び注目を集め始めている。そのうえロシアのウクライナ侵攻による深刻なエネルギー危機で、その存在感はさらに強くなるはずだ。筑波大学研究フェローでMoBiolテクノロジーズ会長の渡邉信氏は、この15年、藻類によるバイオマスエネルギーの研究に傾注してきた。10年ほど前「日本を産油国にする」と宣言して顰蹙を買ったという、藻類バイオマス燃料研究の第一人者に、その特性と研究の現況を聞いた――。 穀物エネルギーの300~800倍の生産能力 藻類は、地球上最古の生物のひとつで、地球の大気をつくったと言われ、昆布やワカメなど大きなものから、湖沼などにいる微少な藻類まで含めると、これまで分類されたものだけでも約4万種類も存在しています。その中からいくつかの微細藻類をピックアップし、高温高圧で処理することによってバイオ原油を生産しようというのがわれわれの研究です。
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