T.はじめに 「よい会社」とは、具体的にどんな会社のことを言うのか。 マスコミには、いわゆる有名な会社、上場企業、業界大手企業、売上高上位企業、社員数の多い会社が圧倒的に多く登場する。 いわゆる経営分析の手法では、収益性、安全性、生産性、成長性、発展性、流動性などを総合評価して会社の経営診断を行う。かつてよく見かけた優良企業ランキング企画等で評価されている主な項目は、これらの要素が多分に取り入れられている。(更に多角的な視点を評価項目に取り入れている。) しかし、これらの調査でどんなに会社の数字が健全で優良の度合いを示したとしても、従来の視点は、日本経済(=国家)や経営者(=企業)の視点でしかなかった。労働者からの視点ではなかった。だから、世間でどんなによい会社として有名であっても、労働者にとって、激務で過労死するかもしれない、社長の気分次第で解雇されるかもしれない、激しい地方転勤の連