政府・与党は安全保障関連法案について、当初予定していた9月11日の参議院採決を延期する方針だ。採決しなくても14日を過ぎると60日ルールで、衆議院の3分2の賛成で再可決できるが、参議院自民党は「60日ルールの適用は避けたい」としている。 いずれにせよ法案の成立は確実で、問題は野党と妥協する「形づくり」の最終局面だが、国会の外ではまだ法案に反対するデモが続いている。彼らは「60年安保のように安倍を退陣させよう」と息巻いているが、かつての安保闘争はこんなお遊びではなかった。 なぜ「安保改正」に反対するのか知らなかった全学連 もともと安保条約の改正は、1952年の旧条約でアメリカが日本国内に自由に基地を設置できる一方、日本を防衛する義務が明記されていない不平等条約だったので、それを改めるものだった。 改正第5条には「日米いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであること