チャイナ・スタンダード(世界を席巻する中国式) カンボジアのリゾート地シアヌークビルは「第2のマカオ」と呼ばれる。中国資本によるカジノ建設が相次ぎ、その数は年内に40カ所を超える見通しだ。中国から観光客や不動産投資家が押し寄せる。街の中国語学校は現地の子どもや大人で満員だ。校長は「この街では英語より中国語が重要だ」と言う。 カンボジアでは中国マネーの恩恵で年7%の経済成長が続く。中国の影は国家統治のあり方にも及ぶ。首相のフン・センは7月の総選挙を前に最大野党を解党させた。追いかけるのは、一党支配の中国が示す「民主化なき発展」の道だ。 ◇ 欧米の影響力に陰りが見えるなか、中国の存在感が増している。中国的なシステムや価値観が生み出す「チャイナスタンダード」が既存の秩序を揺るがしつつある。民主主義や人権といった普遍的価値も例外ではない。 ◇ フン・セン政権は昨年10月、「カンボジアのカラー革命」