10年間続いた異次元の金融緩和をどう終わらせるのかもさることながら、もうひとつ、次期日銀総裁の植田和男氏(71)に課せられているのが巨額のETF(上場投資信託)をどう処分するかという宿題だ。 【写真を見る】「数式を普通の文章のように読む天才」と呼ばれる植田日銀新総裁 日銀の担当記者が言う。 「2月下旬、国会は植田氏に対して所信聴取を行いましたが、この場で植田氏が“大問題”としたのが、日銀が買い続けてきたETFについてでした。もともと日銀によるETF買いは、2010年、白川方明総裁時代に始められましたが、黒田東彦(はるひこ)総裁時代に、一気に加速し、これまで約48兆円が株式市場に注ぎ込まれてきたのです」 目的は株価の下支えだ。多い時で1日700億円の日銀マネーが株式市場に流れ込んだことから、買い入れの時間帯を読んで先回りで儲けるといったテクニックも出現したほど。だが、好きなだけ紙幣を刷れる日