奈良市の唐招提寺で3日夜、正月に欠かせない餅をたたえる「餅談義(もちだんぎ)」があった。正月の法要「修正会(しゅしょうえ)」の終盤に、若手僧侶が担当する余興にあたるひとこま。400年以上続く伝統行事に、信者たちが聴き入った。 午後7時半。前年の行いを悔い改め、世の中の平穏を祈る正月の法要が一段落すると、餅談義が始まった。礼堂の須弥壇(しゅみだん)には鏡餅が供えられ、堂内を灯明の明かりがゆらゆらと照らすなか、48種類の餅が独特の節を付けて紹介された。「春は吉野の花ぁ餅」「闇夜を照らす鏡ぃ餅」「福の神はこなたへござれぃ餅」。シャレの利いた冠言葉で、冷え込んだ堂内は一時、雰囲気がやわらいだ。 11日には「第10回ならのおと 唐招提寺の音―修正会―」(NPO法人奈良芸能文化協会主催)が、奈良市西大寺東町2丁目の秋篠音楽堂(ならファミリー6階)であり、餅談義が初めて寺外で披露される。午後3時開演で、