競馬のはずれ馬券の購入費が経費と認められず、大阪市の元会社員の男性(40)が巨額脱税の罪に問われた裁判を題材に、東京の税理士が修士論文を書いた。ネット社会に対応していない税制を放置すれば、「課税が不公平になり、悲劇がまた起きる」と指摘している。 「見せしめにしては度が過ぎる」。東京都杉並区の税理士・小泉泰之さん(54)は、男性が5億円以上を脱税した罪で起訴され、職も失ったと知り驚いた。税法を深く学ぼうと入った青山学院大の大学院で、修士論文を書く時期だった。 国税庁の通達では払戻金は偶然に得た「一時所得」とされ、収入に結びついた当たり馬券代しか経費とならない。だが、男性のように独自の予想ソフトを駆使して得た払戻金も「偶然」なのか――。今春学位を取った論文では、数学の理論によって投資と回収を繰り返す点で金融取引と「大きく違わない」と指摘。IT社会では通達にあてはまらないケースもあり、はずれ馬券
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