ユネスコの記憶遺産は、申請から決定までに通常約1年半かかる。文部科学省によると、登録申請の締め切りは西暦の各偶数年の3月末まで。中国が今年3月末までに申請していたとすれば、申請が認められるかどうかは来年の夏頃に決まる可能性が高い。 申請は政府に加え、地方自治体や民間団体、個人でも可能だ。申請後はユネスコによる事務的な審査を経て、奇数年の5~8月に開かれる「ユネスコ記憶遺産国際諮問委員会」の審査を経て、最終的にユネスコ事務局長が可否を決定する。 ユネスコでは、文書や書籍などの文化的価値の評価に絶対的な基準はないとして、真正性や唯一性などの基準を設け、「世界的重要性」を評価するとしている。ただ、記憶遺産は、ユネスコ事務局が作成した「一般指針」によって審査され、申請内容や審査過程の公開義務はなく、透明性を欠くとの指摘もある。 慰安婦や南京事件については、歴史的な事実関係や評価が定まっていない。多