首相官邸前で質問制限に抗議する望月衣塑子・東京新聞社会部記者。日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が呼び掛けた抗議行動には記者ら600人が集まった。この日の前日、上村秀紀・官邸報道室長による質問をせかす妨害行為はやんだという=2019年3月14日、筆者撮影 「望月質問」とは何か 新聞記者の存在が近年これほど注目を集めたことがあっただろうか。 毎週末のように開かれる講演会は政治家をしのぐ盛況ぶり。著書の『新聞記者』は版を重ね、ついには同名の映画が制作されて今年6月に劇場公開されるまでになった。 いわずと知れた東京(中日)新聞社会部の望月衣塑子記者のことである。 2年ほど前の2017年6月に菅義偉・官房長官の記者会見場に姿を現し、報道各社の政治部記者に囲まれる中で臆することなく舌鋒鋭く追及する姿勢は「反安倍」層を中心に支持を集めている。 一方、首相官邸は質問内容を「事実誤認だ」として、これま