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ブックマーク / yskszk.hatenadiary.org (16)

  • 貴族のお仕事 - pêle-mêle

    以下の引用は、特定の誰かに対する当て付けではない。 実用書の編集をしていた頃、私自身も冠婚葬祭関係のの編集に携わったことがある。その経験を踏まえていうと、冠婚葬祭マニュアルの編集は、きわめて手間ひまのかかる、そして高度な編集の腕が要求される仕事である。それに比べたら人文書や文芸書の編集は貴族のお仕事に等しい。「ただの実用書」「単なる実用書ではなく」みたいなことを言われると、だから私は噴き出したくなるのである。貴族は困ったもんだな、と。 斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』(ISBN:4004310040)あとがきより 共著や編著も含めれば、無慮50冊以上の実用書の編集・執筆にかかわったオレにすれば、まことに胸のすくようなひとことであった。「貴族のお仕事」よりもよほど大変だというのに、同業者さえそのことを理解しない(しようともしない)のは、まことに嘆かわしいかぎりである。

    貴族のお仕事 - pêle-mêle
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    copyright 2007/12/15
    さすが斎藤美奈子
  • 放送と出版 - pêle-mêle

    の個人サイトの運営者を見ていると、頻繁にリニューアルして過去ログをどんどん消去するひとと、過去に発表したコンテンツを滅多に消去しないひとの両極端に分けられるのではないか(後者のほうが圧倒的に少数派だが)。どこからこのような違いが生じるのかと考えると、個人サイトを放送の一種として捉えるか、出版の一種として捉えるかにある気がする。放送の場合は特別な機器を用意しなければ過去の作品を保存できないが、出版の場合は一度公表したものは事実上は回収不能になる。そしてふだんどんなメディアに接しているかで、そのひとのネットに対するスタンスも変わってくるのではないかと思ったのだが、さすがに話を広げすぎだし、例外も多いので、このくらいで切り上げる。

    放送と出版 - pêle-mêle
  • ple-mle - バックナンバーの恐怖と魅惑

    城戸朱理、阿部嘉昭、井辻朱美という固有名詞の並びから、このブログの読み手は何を連想するだろうか。それぞれ詩人、サブカルチャー系の批評家、ファンタジー作家兼翻訳家兼歌人として、文学関係のをそれなりに読んでいるひとのあいだでは知られた名前だが、それ以上の共通点は見出せないかもしれない。しかしいずれも『ユリイカ』1978年12月号の「解放区」(アマチュア詩人のための投稿欄)に作品が掲載されている「共通点」があるのだ。なお今宵のオレがこの雑誌をぱらぱらとめくったことに、大した意味はない。棚を物色して、ルイス・キャロルを特集しているこの号が何となく目に付いただけである。それにしても「城戸朱理(岩手19歳)」、「井辻朱美(千葉22歳)」はともかく、「阿部嘉昭(東京20歳)」が『ユリイカ』に詩を投稿していたとは、まったく思いもよらない事実であり、不意打ちを喰らわされた。 しかし雑誌のバックナンバーを

    ple-mle - バックナンバーの恐怖と魅惑
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    copyright 2007/10/10
    人文社会学系の雑誌はデータベースとアーカイブが貧弱。それが充実すると、いろいろと面白い発見も出てくると思う。
  • pêle-mêle - 口約束と友情

    封印作品の闇―キャンディ・キャンディからオバQまで (だいわ文庫) 作者: 安藤健二出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2007/09/10メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 119回この商品を含むブログ (45件) を見るかつては当たり前のように放送され、購入できたのに、いつの間にか最初からなかったかのようになっている文化商品の数々を、このの著者は「封印作品」と呼ぶ。何も公権力による発禁処分といった大袈裟な事態が生じたわけでもなく、「売れそうにないから」というビジネス上の理由で入手困難になったわけでもない。具体的には『キャンディ・キャンディ』(漫画、およびそのテレビアニメ版)、『サンダーマスク』(特撮ドラマ、およびその漫画版)、『ジャングル黒べえ』(漫画、およびそのテレビアニメ版)、『オバケのQ太郎』(同上)の四作品が「封印」された過程を著者は追うのだが、推理小説の謎が解けた

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  • pêle-mêle - 原文、読んでる?

    昨日の日記のコメント欄でanotherさんは理系の学生は語学に興味が薄く、また英語至上主義が徹底しているので、「英語に似てるから」という消極的な理由で第二外国語にドイツ語を選ぶことが多いと述べていた。この時点でオレはどうにも悩んでしまう。理系では「論文を原文で読む」という習慣が重視されていないのだろうか。 文学・哲学研究では「お前、ちゃんと原文で読んでるのか?」がひとつの殺し文句になっている。この時点で原文を読んでいない者は「負けました」と頭を下げて投了するしかないのだが、理系ではどうなのだろうか。 たとえば理学部数学科に籍を置いてポワンカレについて格的に研究したい者なら、当然ながらフランス語を学び、ポワンカレの論文を原文で読むものだとオレは勝手に想像している。もしここで「理系の学問は普遍的・客観的なのだから、原文がどの国の言葉で書かれていても関係ない」と言われたら、オレは「あらゆる言語

    pêle-mêle - 原文、読んでる?
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    copyright 2007/08/23
    コメント欄が面白いが、自然科学系で分かり易い教科書を書くと評価されるって話本当?教科書じゃなくて総説・レビューじゃないかな。自然科学分野で教科書を書いて評価されるって話聞いたこと無い。
  • pêle-mêle - 漫画はブルジョワジーの愉しみ?

    バカでも描けるまんが教室―新條まゆの(裏)まんが入門 (フラワーコミックススペシャル) 作者: 新條まゆ,飯塚裕之出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/07/26メディア: コミック購入: 6人 クリック: 103回この商品を含むブログ (32件) を見る東山魁夷に憧れて日画家を目指すも、借金苦が原因で父親が失踪して美大進学を断念、地元の中学校の校務員になるが、それでも「絵を描いて生活したい」という夢を捨て切れずに漫画家になった女性のサクセス・ストーリー。なんて書くと昭和30年代前半の話のようだが、平成の物語である。タイトルは『サルでも描けるまんが教室』のパロディーみたいだが、漫画を描くための小道具から漫画を「漫画らしく」見せるためのテクニック、「業界」のマナーや仕組みまで紹介されており、実用性は「サルまん」よりも上かも。 個人的に面白かったのは、自分の方向性が定まらずに悩んでい

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  • ple-mle : ■骨抜きカウンター・カルチャー

    いまでは県知事からのメッセージが届くくらい「苗場のイベント」として定着したフジロックだが、最初に苗場で開かれた第3回(1999年)のころは、地元で歓迎されていなかったようだ。苗場から自動車で40分ほどのところの中学校で教員を勤めていた友人は、「ロックを聴いているのは『不良』とその予備軍だ」「ロック・フェスティバルには、麻薬の密売人が徘徊している」と気で信じ込み、フジロックへの恐怖を募らせていた。その教員ばかりではない。地元の教育関係者の多くが、同じ懸念を持っていたようである。「オルタモントの悲劇」のころではあるまいし、いまどきロックにそんなイメージを持っているのは馬鹿げていると思ったのだが、ロックについて何も知らない(知ろうともしない)その友人を説得する気にはなれず、適当に話を逸らした。あるいはフジロックがクリーンなイメージを打ち出しているのは、当初のこうした偏見を打破するためだったかも

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  • pêle-mêle - 「目をスミでぬって完成!!」

    パレスチナ 作者: ジョーサッコ,Joe Sacco,小野耕世出版社/メーカー: いそっぷ社発売日: 2007/04メディア: 単行購入: 6人 クリック: 57回この商品を含むブログ (27件) を見る以前から各種のブログで話題になっていて、気になっていた漫画だが、今日の朝日新聞の書評欄でササキバラ・ゴウが好意的に取り上げていたので購入を決意。今日は「新聞やテレビの影響力って、意外と大きいよねー」という話をちょっと皮肉交じりに書こうと思っていたのだが、何のことはない、オレが思い切り新聞に踊らされている。 ついでだから朝日新聞の話題を続けるが、今日(東京では昨日の夕刊かな)のしりあがり寿の「地球防衛家のヒトビト」は最高に痛快だった。こんな内容。 1コマ目 父「何描いてんだ?」 子「(父に背を向け、画用紙に向かって)○×△マン描いてんの」 2コマ目 父「(画用紙を覗き込んで)ほーそっくりじ

    pêle-mêle - 「目をスミでぬって完成!!」
  • pêle-mêle - 同人誌出版と商業出版

    巣鴨駅前のネットカフェより更新。椅子が低くて使いづらいことこの上ない。オレは脚が長いのだぞ。 池袋の豊島公会堂における「同人誌と表現を考えるシンポジウム」に参加する。第一部は印刷会社、同人誌即売会、同人誌販売店など、「当事者」による現状報告。同人誌出版では商業出版における編集者(出版社)に相当する存在がないために、結果としては印刷会社や販売店が編集者的な役割を担っているのを知る。オレは同人誌出版ではどんなに猥褻な表現があっても「オール・オッケー」だと思っていたのだが、むしろ商業出版よりも厳しい制約が課せられることがあるようだ。これはまったく知らなかった事実である。とりわけコミティア関係者(だったと記憶する)による、「ボーイズラブ系の女性同人誌作家は、自分が描いているものが『猥褻物』だという認識が低い」との発言が印象に残る。 第二部はいわゆる「識者」を集めたものの、司会者が「同人誌文化は素晴

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  • pêle-mêle - 著作権が切れる利点

    “文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫) 作者: 野村美月,竹岡美穂出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2006/12/25メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 90回この商品を含むブログ (304件) を見る「ブギーポップ」や「マリみて」や「ハルヒ」でさえ第1作しか読んでいないという、シリーズもののライトノベルとは相性の悪いオレだが(シリーズが長期化するにつれ、快楽よりも義務感が先立ちそうになるのがいやで、そうなる前に「切って」しまうのだ)、このシリーズは楽しみにしている。過去の名作文学を物語の準拠枠にするギミックと、男性読者の性欲を必要以上に刺戟しない品のあるイラストがポイントか。 森茉莉ファンの知人に聞いたのだが、父親の森鴎外の著作権が切れ(当時の著作権保護期間は30年くらいだったとか)、収入を得る手段がなくなった途端、彼女は生活のために創作活動を開始したそうだ。

    pêle-mêle - 著作権が切れる利点
  • 2006-12-17

    今夜、すベてのバーで (講談社文庫) 作者: 中島らも出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/03/04メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 112回この商品を含むブログ (288件) を見るほぼ著者の実体験にもとづいているようで、強烈なエンターテインメント性はない。それでもぐいぐい読ませる。まだ読了していないが、名言を目にしてしまったので引用する。 「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある。 オレは情けないくらいだらしない酒呑みだが、それでも何かに熱中しているあいだは不思議とアルコールを渇望しない。たとえ熱中している対象が、アルコール依存症患者が主人公の小説であってもである(だからこそか)。やはり趣味を持つのは大切なのだ。たとえそれが死の恐怖から目をそらすための安易な手段(パスカルの

    2006-12-17
  • 著作権保護期間は延長すべきか 賛否めぐり議論白熱 - pêle-mêle

    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/12/news063.html このシンポジウムが開かれるとはやめに知っていたら、上京の予定を繰り上げていたところであった(仕事の打ち合わせなどがあり、13日と14日に上京するのだ)。 そんなことはともかく三田誠広の発言があまりにも面白すぎるので、ちょっとばかり揚げ足を取ってみる。 「芸術家はお金のために創作している訳ではないが、『誰かにちょっとほめてほしい』と思っている。著作権は、50年後や70年後に誰かにほめてもらうための権利。著作権が切れ、自分の作品がフリーで出回ったり100円ショップで売られたりするのは嬉しくない」 マーラーもボードレールも坂口安吾も(以下、いろいろいすぎるので略)著作権の保護期間は過ぎているが、オレは彼らの作品への賛辞を惜しむつもりはない。今後も誉めて誉めて誉めまくってやる。そ

    著作権保護期間は延長すべきか 賛否めぐり議論白熱 - pêle-mêle
  • pêle-mêle - オノヨーコ 既得権益死守せんと

    体重、60.6kg。体脂肪率、17.5%。 やはり脂肪が絞れていない。 http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY200604110379.html 見出しだけなら他愛のない記事のようだが、文を読むと、 小泉首相は11日、音楽出版社協会の渡辺美佐名誉会長らと首相官邸で懇談し、エルビス・プレスリーの娘リサ・マリーさんと、オノ・ヨーコさんの手紙を受け取った。 2人の手紙は、作者の死後50年に限っている著作権の期限を、死後70年まで延長するよう求めたもの。 とある。いやはや、プレスリーの遺族がこういうことを訴えるのは判らなくはないのだが、オノ・ヨーコ、かつてはアヴァンギャルド芸術の女闘志だったあなたまでが同調せずとも。だいたいジョンが死んでから、まだ25年しか経っていないではないか。 モーツァルト:レクイエム アーティスト: ベーム(カール),マ

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  • pêle-mêle - 漫画のネームも「なか見!検索」

    アマゾンの「なか見!検索」に対応している漫画はないかと調べていたら、黒鉄ヒロシの一連の幕末ものが見付かった。黒鉄ヒロシだから、というわけではなく、PHP研究所から出版されている書籍の多くは「なか見!」に対応しているようだ。 しかし小説や評論はともかく、漫画を「なか見!」できても仕方ないと思いきや、『新選組』(ISBN:4569554601)を「近藤勇」で検索したところ、該当するページがごっそり見付かった。アマゾンが独自にスキャンしたファイルをもとにしている(らしい)のだから、きちんとした活字で組まれたネームなら検索できてもおかしくないのだが*1、それでもびっくりしてしまう。「ネームを全文検索して、内容を確認してから購入する」というのは、これまででは考えられなかった漫画の買いかたではないだろうか。 そして漫画こそ「なか見!」に対応してほしいという思いは、オレのなかでは強い。なぜなら何巻まで読

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  • p�le-m�le - その拍手の<作者>とは誰か?

    何も聞こえない!――無音の曲を当に販売しているiTunes Music Store 半年も前の記事を話のまくらにするのも恰好悪いが(と、いちいち気にかけるのがもっとも恰好悪い)、アルバムをトラック単位で機械的に分割しているせいで、iTMSでは上のようにおかしなファイルが真面目に売られていることがある。たとえばクラシックのライブ録音盤には、拍手だけが独立したトラックになっているものが少なくない。このトラックがきちんと150円の値を付けられて、ほかのトラックと同等に売られているのだ。 嘘だと思ったらiTMSにアクセスして、「applause」で検索するとよい。なかにはアバド/ベルリンフィルのマーラー「第六」のように、単体で購入できるのが「applause」しかないという、とんだ現代芸術になっているアルバムさえある。おまけに「作曲者」が「Not Applicable」、「アーティスト」が「Au

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  • 2005-07-16

    http://www.be.asahi.com/20050716/W13/0040.html 三田誠広は相変わらずおかしなことを言っている。「権利が切れると誤植の多い安易なものが公開される心配がある」とあるが、夏目漱石全集の校閲が著作権保護期間をすぎてから急に杜撰になったという話は聞かない。「私生活を暴露した作品で遺族が迷惑する例」も同様で、著作権保護期間内にある現在でも三島由紀夫や谷崎潤一郎の私生活に関しては、けっこうスキャンダラスな書籍が出版されている。少なくとも「著作権保護期間」が、いい加減な校閲しか経ていない書籍や、人気作家の私生活を暴露した書籍の出版を防ぐための抑止力にならないのはあきらか。まるで説得力がない。 高円寺でけっこういい時刻まで酔い痴れる。帰りにタクシーを拾おうとするも、なかなかつかまらない。昼間であればバスで10分足らずの高円寺から練馬までを、タクシーの到来をじりじ

    2005-07-16
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