多数の漫画等が違法にアップロードされており、ブロッキング議論にまで発展した違法海賊版サイト「漫画村」。2018年4月からサイトが閉鎖され同サイトは閲覧不能になっていた。しかし、閉鎖された「漫画村」に酷似した「漫画塔」と呼ばれるサイトが新たに開設されていることが確認された。 ■漫画村とは? Wikipediaの記載内容を引用する。 2016年に「登録不要で完全無料な」漫画サイトとして開設された。違法コピーされた書籍をインターネットブラウザ上で誰でも無料で読むことができた。漫画の他に、雑誌、小説、写真集の海賊版を掲載していた[1]。 2017年から口コミで利用者が急激に伸び、2018年1月にはWebサイト分析ツール「SimilarWeb」の調べで月間利用者数が約9892万人、日本国内のサイトランキングではlivedoorなどの大手サイトを超え31位となり[2]、その影響規模の大きさから社会問題
任天堂が「公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に関する東京地裁判決について」というプレスリリースを自社ウェブサイトに掲載しました。 東京地方裁判所において、「マリカー」という標章等が被告会社の需要者との関係で当社の商品等表示として広く知られていることを認めた上で、被告会社(栗原注:マリカー(現商号MARIモビリティ開発))に対して、不正競争行為の差止(例えば、被告会社の営業活動においてマリオ等のキャラクターのコスチュームを貸与することが禁止されることが判決文中で、例示されています。)と、損害賠償金の支払い等を命じる判決が下されました ということです。 裁判所のサイトで判決文はまだ公開されていません(是非公開していただきたいものです)。まずは任天堂のプレスリリースの内容からわかる範囲内で分析してみます。 本件に関しては、過去に何回か記事を書いています(「任天堂がマリオカー
「銀座ソニーパーク"星の王子さま"で荒れ模様」というニュースがありました。銀座ソニービル跡地に開園する銀座ソニーパークで限定販売される「星の王子さま」の"コラボ"商品(バオバブの苗木)が原作の世界観を壊す等としてファンが批判しているというお話です。 本記事では、この問題について知財的な観点から検討してみます。 ご存じの方も多いと思いますが、「星の王子さま」の作者であるサンテグジュペリは1944年に亡くなっていますので、戦時加算を考慮しても「星の王子さま」の日本での著作権保護期間は満了し、パブリックドメインとなっています。有名な表紙絵もサンテグジュペリ作なので同様にパブリックドメインとなっています。 これにより、既に多くの新訳本が出版されています。その中にはオリジナルの表紙絵を使っている物も数多くあります。著作物がパブリックドメイン化されたことで文化の発展に貢献している良い例かと思います。
特定のサイトへの接続をプロバイダ(ISP)が遮断するブロッキング。政府が「緊急対策」として「漫画村」など3サイトを名指しし、ISPに事実上の実施要請をした。NTTグループがこれに応じ「準備が整い次第」実施するとの方針を発表すると、憲法で保障された「通信の秘密」を侵すとして激しい反発が起こった。8月に入り、NTT側はブロッキングは見送ると明らかにしたものの、一連の経緯は海賊版対策、法規制のあり方、ネットの自由という問題について多くの課題を提示した。問題点はどこにあるのか。今回の要請では、誰がどう動いたのか。(ジャーナリスト・田中徹/Yahoo!ニュース 特集編集部) ブロッキングは推進側も、極めて例外的、と認める強権発動だ。今回の要請では「緊急避難に当たるから違法ではない」との解釈が下敷きになっている。その背景には甘利明・元経済再生担当相と菅義偉官房長官、すなわち、与党と政府の実力者による政
「一読して、誰の手記からどう取ったかがすぐにわかり、被災者の言葉に対する敬意を欠いていると思った」――。東日本大震災を描いたノンフィクションや被災者の手記からの流用疑惑が指摘されている芥川賞候補「美しい顔」。この被災者手記を編集した東北学院大の金菱清教授(社会学)が単独インタビューに応じ、問題について語った。 本当に「罪深い」ことはなにか? 「美しい顔」は東日本大震災で母親を亡くした女子高生を主人公に、彼女の目線を通して一人称で綴る小説で、文芸誌「群像」(講談社)の新人文学賞を受賞した。7月18日に発表される芥川賞候補にも選出されている。 作者の北条裕子氏は「被災地に行ったことは一度もありません」と明らかにし、「被災者ではない私が震災を題材にし、それも一人称で書いた」ことを「罪深い」と書いている。 ところが、受賞後、石井光太さんのノンフィクション作品『遺体 震災、津波の果てに』(新潮社)や
最近、興味深い知財高裁判決がありました(判決文リンク)。 職業写真家の写真が無断でツイッター上で利用されたという案件です。通常、このようなケースでは、権利者には写真を利用したユーザーが誰かはわかりませんので、プロバイダー責任制限法に基づきプロバイダー(この場合はツイッター社)に発信者情報開示請求を行います。本判決は、この発信者情報開示請求に関するものですが、発信者情報を開示する義務があるかないかの判断基準として著作権侵害があるかどうかが判断されました(開示には権利侵害が前提になるので当然です)。 地裁でも知財高裁でも他人が撮影した写真を無断でプロフィール写真等に使ったケース等については著作権(公衆送信権)侵害が認定され、発信者情報の開示が認められています。ここまでは当たり前です。注目すべきはリツイートに関する知財高裁の判断です。 ここでの重要論点は「リツイートしただけで写真の著作権を侵害す
海賊行為は許されない。これは共通認識だと思う。 私自身、取材や実務を通じて、作品が生み出されるまで、膨大な労力と資金が注ぎ込まれているのを目の当たりにしてきた。これにタダ乗りする海賊サイトは、たとえ海外にサイトがあろうが、リーチサイトは違法性に問うのは難しかろうが、許すことはできない。 だが、今回のサイトブロッキングは、決定の過程と効果の両方に疑問が拭えない。 賛否分かれる「海賊版サイトブロッキング」、両者の言い分 - ITmedia ビジネスオンライン海賊版サイトブロッキング、被害額の推定根拠に疑義あり | 日経 xTECH(クロステック)ちばてつや氏の声明この疑念が決定的になったのは、知財本部・犯罪対策閣僚会議の座長を務める中村伊知哉氏のブログのこの一節だ。 本件は、事態を放置する責任と、ブロッキングを実行する責任(憲法問題や法的安定性)とが拮抗して下された決定と考えます。「現実の被害
政府がISPに海賊版サイトの遮断を要請と報道4月6日付の毎日新聞の報道によると、政府は国内に拠点を置くインターネット接続業者に対し、ネット上で漫画や雑誌を無料で読めるようにしている海賊版サイトへの接続を遮断する措置を実施するよう要請する調整に入った。 ISPによるサイトへの接続遮断はブロッキングと呼ばれ、通信の秘密との関係で重大な問題をはらんでいるが、日本ではブロッキングの許容性を慎重に検討した上、ISPは児童ポルノに絞っては「緊急避難」に当たると判断し、2011年から事業者による自主的な取り組みとして実施されてきた。 今回の要請に法的根拠、法的効果はなく、事業者が要請を受け入れた場合には、司法の場で電気通信事業法第四条の定める通信の秘密に抵触すると判断される可能性があり、その場合のリスクはISP自身が負わねばならない。 記事によると政府は海賊版サイトの遮断が「緊急避難」に当たると整理した
話題になっている任天堂対コロプラの特許侵害訴訟、裁判資料に閲覧制限がかかっていたため、どの特許が問題になっているのか明らかではありませんでしたが、ようやく閲覧制限が解除されたようで、WSJ紙の望月記者が裁判記録を閲覧してツイッターで報告されています(多謝)。 ということで、以下、簡単に内容を説明していきます。 3734820号については、以前に私が書いた記事の勝手予想が当たっていました。内容については当該記事をご参照ください。以下、残りの4件(のうちの2件)について簡単に解説します(公報に直リンが張れるようになったのは助かりますね)。主要クレームのみ見ていきます。 特許4262217号 「ゲームプログラム及びゲーム装置」 【請求項1】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に
昨年のことですが、ツイッターの商標速報ボット経由でなかなかチャレンジャーな商標登録出願を発見しました。 出願人はちゃんとしたデザイン会社のようです(いわゆる商標ゴロ案件ではありません)。この出願が特許庁によりどのように扱われるのか大変興味があるところです。なお、出願人を批判する意図はまったくなく、単にこういう商標登録出願を行なうとどうなるのかを客観的に分析してみたいと思います。 まず、重要な点として商標登録出願の審査では著作権のチェックは原則的にしません(著作権は登録しなくても権利が発生するので網羅的に調べることは事実上不可能です)。ただし、どう見ても他人の著作権を侵害している場合には、運用上商標法4条1項7号(公序良俗違反)で拒絶されることはあります。また、仮に商標登録されたとしても他人の著作権を侵害するときはその商標は使用できません(商標権によって著作権をオーバーライドできるわけではあ
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