ウィズキッド(Wizkid)やバーナ・ボーイ(Burna Boy)ら、ナイジェリアから広がる新たなポップ もはや欧米中心ではないグローバルな音楽シーン 経済のグローバル化によって、ポップ・ミュージックもますます欧米中心ではなくなってきている。80年代から90年代前半の、いわゆるワールド・ミュージック(いまは〈グローバル・ミュージック〉と言ったほうが、ポリティカル・コレクトネスに適っている)の流行はその象徴だった。文化的に大きなうねりになったワールド・ミュージック・ブームは欧米の音楽に慣れ親しんだリスナーの耳を〈開いた〉とはいえ、それによって各地域のポップ・ミュージックがアメリカやヨーロッパのメインストリームに食いこむようなことは、それほどなかったと言っていい。 状況が変わってきたのが、ブームが過ぎ去った90年代後半から2000年代にかけてで、主に南米発の音楽が広く受け入れられてヒットしたり