訴訟は契約とは異なる 悪徳商法を告発するウェブサイト「悪徳商法?マニアックス」(悪マニ)の管理人・吉本敏洋氏による「株式会社はてな」(近藤淳也社長)の提訴(6月10日)には、強い違和感を覚える。 これは、「はてな」が嫌がらせ書き込みを放置しているとして、100万円の損害賠償と発信者情報の開示を、吉本氏がはてなに対して求めた訴訟である。 告発サイトの管理人が、自分たちに対する嫌がらせの書き込みの責任を追及する訴訟を起こす構図自体に矛盾を感じるが、特に違和感を覚えたのは吉本氏の訴訟観である。 吉本氏は提訴理由を説明した「悪マニ」上で独特の訴訟観を披露した。 『訴訟というのは、契約時に名前を書類に書くような単なる「手続き」であり、発生した損害については、きちんと賠償してくれれば良いだけのことです』 日本では裁判を意味もなく忌避する人が多い。裁判をするくらいならば泣き寝入りを選択する消費者が少なく