<軍事費や国境の壁建設費だけを増額して、外交や対外援助、環境などの予算を集中的に切り込むのも無謀だが、オバマ前政権下で与野党が合意した今年度予算案にも手を突っ込むので、4月末には政府閉鎖になる可能性がある。何の益もない迷走ぶりだ> オバマケアの廃止・修正に失敗した米国のトランプ政権が、今度は予算編成で議会と衝突している。減税やインフラ投資等、政権浮揚につながる政策の実現が急がれるなか、どうしたわけかトランプ政権は、それらとは関係の薄い分野にまで戦線を広げようとしている。 「予算ゼロ」の衝撃 「十分に対応できず申し訳ない。議会に説明にいかなければならなくて」 3月中旬に訪れた米国の首都ワシントンDCで、ある機関の窓口となってくれた方が、申し訳なさそうに話してくれた。実は、この機関に対しては、3月16日にトランプ政権が発表した2018年度の予算案で、政府からの補助金の全額カットが提案されていた