■新人こそが新しい時代を切り開く・・・。 「憂国忌」の案内が来る頃になると、毎年、文学の世界ではもう一つのイベントが始まる。新人賞の季節の到来である。昨日まで無名だった作家志望者の一人が、新人賞受賞で華々しく文壇デビューというわけだが、むしろ現実には期待はずれが多く、新人デビューもつかのま、多くの新人作家がアッという間に消えていくというのが現実だ。が、しかし、「新人が時代を切り開く…」「新しい時代の扉を開くのは新人だけだ…」という文壇的原則に変わりはない。10代、20代でデビューし、「新しい時代を切り開いた・・・」三島由紀夫や大江健三郎、石原慎太郎、村上龍等の例を持ち出すまでもないだろう。むろん、小林秀雄や江藤淳のような批評家の場合も。それは論壇やアカデミズムにはありえない文壇的特質だろう。10代であろうが20代であろうが、あるいは50代であろうが60代であろうが、新人賞を受賞し、文壇にデ