辞令一つで、社員を自由に配置できる時代はすでに終わった。いまや一人ひとりの働き手の力を活かすには対話が欠かせない。社員も、会社の命令に「素直に従う」弊害を自覚すべきである。 会社員であっても、自分の納得した仕事をする時代 多くの企業が人事異動を実施する季節となり、「この度、○○部への異動を拝命され」という連絡をもらうことが多くなります。この「拝命され」という表現は、儀礼的に使われているのかもしれませんが、いつも大きな違和感を覚えています。 「拝命」とは命令を受けることを丁寧に表現した言葉です。たしかに組織に属するサラリーマンは、会社の命令に従うことが当然の義務であり、それを受け入れていることが会社員になるということです。ごくごく、社会のルール通りではありますし、組織人としては正しい。 しかし、会社の命令だからと言って、急な引っ越しも受け入れる、自分の望まない仕事も受け入れる、ということがあ