「ボンボニエール」という言葉をお聞きになったことがありますでしょうか。 「ボンボニエール」とは皇室の慶事の際に配られる、小さな工芸品の引出物です。 写真1は、今上陛下が平成2(1990)年11月に即位された時に配られた引出物のボンボニエールです。来年、皇太子殿下が帝位に就かれますが、その即位の際にもおそらくボンボニエールが製作・配布されることと思います。銀製のものが多いボンボニエールですが、現在の皇室では、陶磁器製のものも作られています。 この引出物はなぜ「ボンボニエール」と呼ばれるのでしょうか。ボンボニエールは実は「菓子器」なのです。中の菓子は現在ではおおむね金平糖が入っています。もともとはヨーロッパで子供の誕生や結婚式などの祝事の際に砂糖菓子(bonbon)が配られ、その砂糖菓子を入れる容器をボンボニエール(Bonbonnière)と呼ぶことから、日本の皇室の引出物も「ボンボニエール」