山あいの小さなメーカーが生み出した技術が宇宙へ飛び立った。非常用の圧縮毛布などを手掛ける「足立織物」(兵庫県多可町中区)が、民間の宇宙産業商社のプロジェクトに参加し、宇宙空間での包装紙として同社の真空パック技術を応用。今年2月、国際宇宙ステーション(ISS)内の日本の実験棟「きぼう」に向け、打ち上げられた。(伊田雄馬) 足立織物は1950年に創業し、シャツ地やハンカチを生産する播州織メーカーとして事業を展開。2代目社長の足立利信・現会長が、生地の体積を小さくするためにタオルの真空パック技術を開発し、持ち帰り用ギフトとして人気を集めた。 生地をコンパクトにする技術は2011年の東日本大震災後、需要が高まった。災害時の避難所などで使う毛布をA4サイズに圧縮して全国の自治体や企業へ納入。新たな防災関連商品として注目を集めた。 今回のプロジェクトは昨年4月、宇宙ビジネスを手掛けるベンチャー会社「S