兵庫県明石市の彫画家、伊藤太一さん(87)の個展が明石市立文化博物館(同市上ノ丸2)で8日始まった。 伊藤さんは約50年前にケント紙にナイフで彫り込む彫画という技法を編み出した。作品では、ほほ笑みながらこちらを見つめるおかっぱ頭の少女がトレードマークとなっており、温かみを感じる色合いでどこか懐かしさを感じさせる。 明石市や神戸市など県内の風景を描いており、2007年からは神戸新聞明石版で「あかしの歴史風景」を連載。今回の個展「伊藤太一彫画の世界 あしのむくまま西東」では明石版に載った280点を前、後期それぞれ140点ずつ展示する。ほかに、日新信用金庫のカレンダーに使用された原画なども並ぶ。 展覧会を企画した明石文化国際創生財団の佐賀佳奈さん(29)によると、伊藤さんの作品展では過去最多の出展作品数という。「彫画の少女の表情や着物の柄、海の色など作品一点一点を見比べて違いを楽しんでもらえたら