中小企業が金融機関からの借入金の返済猶予の要件を緩和し容易にする中小企業金融円滑化法(以下、「円滑化法」という)の施行から、12月4日で丸2年が経過した。金融庁によれば、同法施行日から今年6月末までの間に実行された中小企業に対する条件変更の件数は約30万社、債権本数で約115万件、金額にして累計約38兆円とされており、専門家の間では、このうちいわゆる「隠れ不良債権」額は、4兆円から5兆円にのぼると言われている。帝国データバンクによれば、円滑化法を利用して借入金の返済猶予を受けた後に倒産した企業が、今年10月には22件となり、9月の19件を超えて過去最高になったというが、実質廃業に追い込まれた中小企業を含めれば、その数はさらに増加する。足元の景気回復が遅れる中、「中小企業の倒産を回避する」ことだけを是とするのであれば、来年3月に期限切れとなる円滑化法を再延長するよりないが、自見金融相は、11