はじめに この章ではロードバランサそのものからはちょっと離れて、筆者らが手がけている負荷分散システムで実践している運用の工夫やコツをいくつか紹介したいと思います。 文中で『DSAS』という言葉が出てきますが、これは筆者らが設計・構築・運用しているコンテンツサービス用のネットワーク・サーバインフラの名称です。『DSAS』については筆者らのブログなど[1]でも紹介していますが、その特徴のうちで、本誌の読者の方に興味を持ってもらえそうな点を列挙してみます。 ロードバランサやストレージサーバなども含めて、ほぼ全てLinuxベースで構築している。 下まわり(物理配線など)からアプリケーションレイヤに至るまで、各所で多重化しているので障害に強い。 スケーラビリティも考慮して設計している。 『DSAS』の構成についてはまた機会があれば詳しく紹介したいと思いますので、本章では日頃の運用に関するノウハウを