参議院選挙前ということで,各党の雇用・労働政策に関する主張をみているのですが,賃金面の政策はアピール度が高いようで,最低賃金にしろ,同一価値労働同一賃金にしろ,少なくともどちらかに言及している政党がほとんどです。最低賃金のことは既に書いてきたのですが,同一価値労働同一賃金はどうでしょうか(これも以前に何度かこのブログでも触れたことがあります)。これを法制度として「導入する」という主張については,実効性と相当性の両面から問題があるように思えます。 まず,実効性について。同一価値労働同一賃金は,ある二つ以上の労働を比較して,それが同一価値であると評価されれば,賃金を同一にするということです。しかし同一価値をどう測るかについて基準をどう設定するのでしょうか。あなたの会社で働く従業員全体について,いったいどういう基準で労働の価値の同一性を測ることができるでしょうか。できるわけがありません。無理に