『希望のごはん 夫の闘病を支えたおいしい介護食ストーリー』(クリコ/日経BP社) 身内が病気になり、食事制限が厳しくなると、お医者さんの食事へのアドバイスがあまり使えないこと、意外に本すらないことを痛感する。一応基準や一覧が書かれたリストはあるのだが、レシピを聞けるわけではないし、リストにない食材、メニューについてはほぼ明確な答えが返ってこない。もちろん、生きるために食べていくことは可能だが、家族が病気で苦しんでいる時、少しでも美味しいものを食べてほしいと感じるのは当然のことだろう。これは、病気の種類は違えど、そういった経験のある多くの人たちの共通の思いだと思う。 しかし、誰もが料理が得意なわけではない。思っていても、限られた中での工夫の仕方が分からない、という人も多いだろう。そんな人に、特に噛むことができない家族を持つ人に、ぜひ読んでほしい本がある。『希望のごはん 夫の闘病を支えたおいし