『私のプロ野球80年史』(野村克也/小学館) 著書はこれまで100冊をゆうに超えるという。野球を知らない人も知る「ノムさん」こと野村克也氏である。野村氏ほど、多くを語れる野球人はまずいない。これまで選手として、監督として、常に新しいことを模索し、唯一無二の実績を残してきた。「私の人生は、日本プロ野球の歴史にほぼ重なる」という同氏が、「見て、聞いて、体験して」きたことを綴った『私のプロ野球80年史』(小学館)が出版された。御年82にして、なおもメディアに引っ張りだこの野村氏に、話を伺った。 プロ意識=恥意識。野球のことは語れるのが当たり前 「なんでこんな仕事多いの?」 開口一番、お馴染みのボヤキが飛び出した。いかに野村氏がすごいかということに他ならないのだが、ボヤキは止まらない。 「こんなオレにすごいよね。でもオレがすごいんじゃないよ。野球界がバカばっかりだからだね。『プロ意識=恥意識』。野