佐賀県警に07年7月、強盗予備の疑いで逮捕された後、起訴猶予処分になった同県内の男性(39)が、「違法なおとり捜査に協力させられた上、虚偽の報道発表をされた」などとして、県に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、佐賀地裁であった。野尻純夫裁判長は訴えの一部を認め、県に33万円を支払うよう命じた。 野尻裁判長は、強盗計画を通報した男性に計画を続行するよう協力を求めたことについて「警察の責務に照らして許容限度を超えて違法」と述べた。 訴状などによると、男性は07年7月23日、強盗を計画している友人の指示で目出し帽を購入したが、計画をやめさせようと、同28日、県警佐賀署に計画を知らせた。同署は「予定通り(計画を)実行してほしい」と協力を要請。原告はその日午後、対象の民家近くに車で行き、強盗予備容疑で逮捕された。同署は翌日、原告を含む共犯5人の逮捕を報道発表した。【蒔田備憲、田中韻】