『週刊ダイヤモンド』2015年7月25日号の第1特集は、「中国・ギリシャ 本当の危機が始まった!」。中国で株式バブルが崩壊し、ギリシャでは債務危機が火を噴きました。金融市場はこの二大危機に大きく揺さぶられましたが、矢継ぎ早の株価対策で上海株暴落には一定の歯止めがかかり、欧州もギリシャへの支援再開を決定。これで危機は去ったかに見えます。本当にそうなのでしょうか。答えは否である。問題が先送りされただけで、危機再燃のマグマはたまり続けています。実は始まったばかりなのです。 「1日で、2000万元を失った」──。これは、にわかに暴落した上海株をめぐってのある人物の発言だ。ただし、日本円にして約4億円もの大金を瞬時にして〝溶かす〟失態を演じたのは、単なる富裕層の素人投資家ではない。これまで散々、〝インサイダー情報〟で利益を得てきた、相場で負けるはずのなかった共産党の局長級幹部が、そう明かしたのだ。