9月23日、米軍はシリアの「イスラーム国」拠点に対する空爆を開始した。イラク北部、西部に勢力を広げる「イスラーム国」をイラク国内だけで叩いても、シリアに「イスラーム国」の根っこがある限り、意味はない。国際社会挙げて「イスラーム国」を叩かなければならない、と高らかに宣言した以上、米国がシリア問題に手を付けざるをえないのは明らかだ。 しかし、空爆は本当に意味があるのか、という指摘はすでに各方面でなされている。ゲリラのように移動しながら活動を続ける「イスラーム国」を空爆しても、簡単に逃げられるだけだ。ダムや石油施設が「イスラーム国」の手に落ちないよう空爆する、というのならば効果はあるかもしれない。しかし、「人民の海」のなかに紛れた「イスラーム国」の戦闘員だけを、ピンポイントで攻撃するのは、空爆では無理だ。無人機による攻撃が民間人の被害を増やしているという批判は、オバマ政権に対して繰り返し投げかけ