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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (130)

  • シリア空爆の意味

    9月23日、米軍はシリアの「イスラーム国」拠点に対する空爆を開始した。イラク北部、西部に勢力を広げる「イスラーム国」をイラク国内だけで叩いても、シリアに「イスラーム国」の根っこがある限り、意味はない。国際社会挙げて「イスラーム国」を叩かなければならない、と高らかに宣言した以上、米国がシリア問題に手を付けざるをえないのは明らかだ。 しかし、空爆は当に意味があるのか、という指摘はすでに各方面でなされている。ゲリラのように移動しながら活動を続ける「イスラーム国」を空爆しても、簡単に逃げられるだけだ。ダムや石油施設が「イスラーム国」の手に落ちないよう空爆する、というのならば効果はあるかもしれない。しかし、「人民の海」のなかに紛れた「イスラーム国」の戦闘員だけを、ピンポイントで攻撃するのは、空爆では無理だ。無人機による攻撃が民間人の被害を増やしているという批判は、オバマ政権に対して繰り返し投げかけ

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    daybeforeyesterday 2014/09/24
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  • 普通のイラク人にとっての国民和解とは

    イラクの新内閣が決まった。 北と西を制圧し、さらにクルド地域と中央政府支配領域の境界線を切り裂くように、イスラーム国がスンナ派居住地域を東へ東へと進撃するなか、これ以上イラクという国が分断させないように、決死の思いで組閣された新政府であってほしい――。その期待は、残念ながら、あまり叶えられてはいないようだ。 アバーディが知識人出身で、それなりに評価されているのは前回も述べたが、その評価には彼がニューフェースだからという点がある。これまでの泥臭い権力争いとは、無縁に見えるというわけだ。 ところが、彼の組閣した新内閣は、むしろ過去の権力争いの中心人物たるオールドフェースだらけになってしまった。追い落したはずのマーリキーが副大統領についたばかりではなく、マーリキーと犬猿の仲である元首相のイヤード・アッラーウィも、同じく副大統領だ。さらには、これまたマーリキー批判の急先鋒で、スンナ派政治家として最

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    daybeforeyesterday 2014/09/12
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  • イラク新首相、任命されたはいいが

    8月8日、イラク北部で大きな脅威となった「イスラーム国」(ISISが改名)の拠点の一部にとうとう、米軍が空爆に踏み切った。その3日後には、懸案となっていたイラク新首相にハイダル・アバーディが任命された。先月末に大統領に任命されたフアド・マアスームが、三期目を主張して譲らなかった現マーリキー首相に、引導を渡したのである。独裁化し宗派対立の種を撒いたマーリキーに責任を負わせて退陣させることで、イラク政界もアメリカも、イスラーム国の攻勢になすすべのない現状を、なんとか打開したいと考えている。その意味で、ほっと胸をなでおろしている向きも多い。 だが、イラク政界再編で事態は好転するのだろうか? 2011年以降のマーリキー政権の専横が、スンナ派政治家やスンナ派地域の不平不満を生み、「イスラーム国」に付け込まれる隙を作ったことは、確かだ。ここ数年、シーア派の与党連合のなかからも、マーリキー下ろしの声が強

  • 「理」なき殺し合いの怖さ

    ラマダン(断)月が終わった。今日(7月28日)からイード・アル=フィトルというラマダン明けの休日が始まり、イスラーム教徒はお正月のように、口々に「今年もおめでとう」と祝い合う。子どもたちに衣服を新調し、連休を利用して菓子折りもって親戚回りをするのも、お正月みたいだ。 だが、今年ほどお祝いムードどころではない年はない。イスラエルのガザ攻撃によってパレスチナ側の死者はすでに1060人を超え、イラク北部を実効支配したイスラーム国はキリスト教徒住民を追い出し、歴史的遺跡を次々に破壊している。あまり注目されていないが、三年前にNATOが介入してカダフィ政権を倒したリビアでは、格的に内戦状態と化し、欧米諸国はこぞって自国民の退去を呼びかけるほどに武力衝突が頻発している。 ラマダン月といえばイスラーム暦のなかでも最も神聖な月のひとつなので、ムスリム同士の戦争の場合、ラマダン月だけは休戦にすることが一

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    daybeforeyesterday 2014/07/29
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  • ガザ攻撃:ハマースはそんなに「脅威」なのか

    イラクでのISIS(イラクと大シリアのイスラーム国)の動向に世界的な注目が集まる一方で、中東ウォッチャーたちは内心、別のことにハラハラしていた。6月12日に行方不明となった、ヨルダン川西岸地区に住むイスラエル入植者3人の運命だ。3人は生きているのか死んだのか、イスラエル、パレスチナ双方でヒリヒリした日にちが続いた後、6月29日に3人の遺体が発見された。 そこから、事態は急転直下だった。イスラエル軍は、「ハマースの仕業だ」として早速「報復」を主張、ガザを再占領すると息巻いた。以降、イスラエルによる空爆で毎日ガザ市民が命を落とし、報復でハマースはロケット弾をイスラエル領内に打ち込む。イスラエルの攻撃が連日続くなかで、7月2日には、東エルサレムに住むパレスチナ人の少年がイスラエル入植者によって拉致され、生きたまま焼き殺される事件が起きた。それがパレスチナ人の怒りを煽り、その少年の葬儀のさなかには

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    daybeforeyesterday 2014/07/12
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  • イラク:政治的解決には遅すぎる

    アメリカは、マーリキー首相の首に鈴をつけようと考えているようだ。 6月23日、イラクを訪問したケリー米国務長官は、イラク政府の各派の要人と会い、挙国一致の姿勢でISIS(イラクと大シリアのイスラーム国)のイラク進攻に備えるようにと、要請した。「挙国一致」とは、マーリキー政権の今のやり方では宗派偏向が強いから、スンナ派地域の住民の支持をISISに持って行かれないためにスンナ派を重用するべし、という指示だ。首相三選に、与党内部からも疑義が出ているマーリキーの退陣を求めたものとも取れる。 勢い、与党連合の他のシーア派政党から、次期首相候補の名前が出たり引っ込んだりしている。マーリキー率いるダアワ党と覇を競うシーア派政党、イラク・イスラーム最高評議会(ISCI)の重鎮で、長年副大統領職に甘んじてきたアーディル・アブドゥルマフディや、マーリキー政権下で石油相を長く務めたフセイン・シャフリスターニなど

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    daybeforeyesterday 2014/06/25
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  • イラクはどこまで解体されるか

    6月10日に北部モースルが陥落して以降、イラク分裂の危機が現実性を持って語られるようになった。「イラクとシャームのイスラーム国」(ISIS)勢力は、北はモースルからティクリートまでを、西はファッルージャからバグダードに向かうルートを制圧し、さらに東方のディヤーラ県まで勢力を拡大している。ISISの制圧地域が地理的に「スンナ派地帯」だからというので、「イラクの宗派別分裂」が言われるのだが、事態はより深刻だ。なぜなら、分裂は地理上の問題ではなく、現政府が一つのまとまった国家領域としてのイラクを守ろう、という意思と能力がないことが、露呈されたからだ。 モースルが陥落した際に、これを守るべきイラク国軍はさっさと逃げたと、前回のコラムで述べた。イラク国軍や警察は、イラク国民をではなく、自らの宗派や民族を守ることにばかり、専念しているのだ。それだけではない。マーリキー首相をはじめとして、政府要人たちの

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    daybeforeyesterday 2014/06/14
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  • イラク:モースル陥落の深刻さ

    恐れていたことが起こりつつある。 アルカーイダすら「絶縁」するほどの過激派、「イラクとシャームのイスラーム国」(ISIS)が、イラクで攻勢に出、イラク第3の都市、モースルを手中にいれたのだ。 ISISは、すでに今年初めからファッルージャなどイラク西部で拠点を築き、イラク国軍と抗争を繰り返していたが、6月に入ってバグダードの北125kmにあるサマッラーに攻勢をしかけるなど、活動範囲を急速に拡大していた。それが、10日には北部ニナワ県県庁所在地のモースルを陥落したのである。 ISISの武装勢力はモースルの市庁舎や空港など要所を制圧し、同市を守るべき警察、軍は軍服を脱いでほうほうの体で逃走したという。庇護を失った市民は市外、県外に逃げまどい、その数は45万人にも上ると言われるが、隣接するクルド自治区では殺到する難民に固く門戸を閉ざして、騒動に巻き込まれまいと必死だ。 イラクの治安は、2011年末

  • 天安門事件、25周年

    香港に行ってきた。6月4日の天安門から今年で25年目。あの日を香港で過ごしたわたしとしては、25周年はどうしてもここで迎えたかった。 25年という節目を前に、中国大陸広しといえども香港でだけ開かれる天安門事件抗議集会のために、多くの中国友人たちも今年初めから香港入りする算段をしていた。いつもは北京で集う友人、あるいはツイッターで次第に口を交わすようになった人たちと香港で出会う......どんな面白いことになるだろうと思っていた。 だが、当局も早くからそれに気付き、裏で手を打っていた。そこにさらに拍車をかけたのが、3月に雲南省の昆明駅、さらに4月に習近平が訪れたばかりの新疆ウイグル自治区のウルムチで立て続けに起こった爆弾及び無差別殺傷事件だ。これによって中国全土に堂々と警戒体制が敷かれ、不穏な動きを取り締まるという名目で全土の公安が非常体制に入った。そしてそこに無差別殺傷事件とは直接なんの

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    daybeforeyesterday 2014/06/09
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  • 教師は自分の子供の入学式を優先すべきだ

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [5月27日号掲載] 私は4人の子供を地元の公立学校に通わせている。だから学校教育に関する議員や教育委員らの意見が気になるのは父親として当然のことだ。 私が住む県で最近、新1年生を担任する高校教師が入学式を欠席し、自分の子供の入学式に出席するという出来事があった。この選択に対する県議や教育委員会の反応に、私は違和感を覚えた。 教師が欠席した入学式に来賓として来ていた県議は、「担任の自覚」や「教師の倫理観」を問題にした。教育委員会の担当者は「教員としての優先順位を考え行動する」ように求めた。 近所に住むフランス人の友人は子持ちではないが、この反応にひどく失望していた。日出生率が低いのも当然だ、と彼は怒って言った。「職務は家族より大事というのが行政の公的立場なら、子供を持つ親が増えるわけがない」 日人の倫理観の根底にあるのは、義務や役割を果た

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    daybeforeyesterday 2014/06/03
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  • 日本はどれほど「アジア」を知っているのか?

    南海沖で起きた、ベトナムと中国の衝突が日で高い関心を引いている。メディアの報道ぶりも日と直接関係のない事例としては珍しいほど力が入っている。日頃のアジアニュースへの冷たさと比べると、その報道の視点は「南海における緊張の高まり」に関心を払っているというよりも「中国の横暴ぶり」に焦点を置いたものが多い。そうでないというのなら、もっと日頃からフィリピンと中国、あるいはその他の国々との往来にも関心が持たれても良いはずだ。が、ここまで毎日のように熱心に報道枠をアジアニュースに割いてきたメディアはこれまであまりなかった。これは今後アジアニュースへの比重がもっと高まる前触れとみて良いのだろうか? だが、当に「中国の横暴ぶり」をメディアが伝えているか、といえば、そうでもない。横暴ぶりならば、今新疆ウイグル自治区で起こっているウイグル系住民への激しい取り締まりや弾圧、そして天安門事件25周年を前に激し

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    daybeforeyesterday 2014/06/02
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  • イラクのフランケンシュタイン

    4月30日に実施された第三回イラク議会選挙は、まだ完全に確定してはいないものの、与党「法治国家連合」が第一党の地位を確保することが明らかになった。同じシーア派勢力の国民同盟やサドル潮流を大きく引き離して、両者がタッグを組んでも第一党に及ばないだろう。三選は許せない、と批判されてきたマーリキー現首相だが、この勢いに乗って次期政権を担う意欲は満々である。 2005年から10年以上同じ首相とはいかがなものか、イラク戦争で民主化したというわりには長期独裁の再現じゃないか、と白けた声も強く、投票率は前回とほぼ同じ、六割程度である。最初に選挙が行われた2005年の八割と比べると、激減だ。 ところで、選挙に白けたイラク人でも、選挙前日に流れてきた次のニュースには、心躍らされたらしい。「イラク人作家、アフマド・サアダーウィの小説『バグダードのフランケンシュタイン』が、今年度のアラビア語屋大賞を受賞した」

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    daybeforeyesterday 2014/05/25
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  • ものづくり信仰が日本企業をダメにする

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔4月29日/5月6日号掲載〕 ものづくり。日でこの言葉を聞かない日はない。テレビでも新聞でもラジオでも、日人は何かを職人芸的につくり上げる自分たちの能力を自賛する。 当然かもしれない。弁当箱から名刺入れ、半導体に自動車まで、日人は優れたものを異常に低い欠陥率で大量生産する驚くべき能力があるようだ(何百人もの踊り手が一糸乱れずに踊る阿波踊りは、その能力の文化面での表れだ)。 こうした日の工業製品の長所は世界中で認められていて、日ブランドの信頼性を高めている。特に安全性が重視される製品(自動車や、もしかすると次世代の発電所や飛行機)ではそうだろう。 「中国では日製エレベーターがよく使われている。中国人は日製品を信頼していて、日のエレベーターなら命を預けていいと思っている」と、香港の投資会社CLSAのアナリスト、クリスチャン・ディンウディー

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    daybeforeyesterday 2014/05/20
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  • イスタンブールではなく東京五輪になった訳

    今週のコラムニスト:李小牧 〔5月13日号掲載〕 トルコと言えば、世界でも有数の親日国家──今では中国人も知っている国際情勢の常識だ。明治時代に、和歌山県沖で台風に遭ったトルコ軍艦の乗員を地元住民が救ったことや、日露戦争が結果的にロシアの圧力からトルコを助けたことが感謝されている。 2020年夏季五輪の開催地を激しく争ったものの、日は友好関係を保つ努力を続けている。昨年10月には安倍首相が訪問し、トルコで日製原発を建設することが決まった。わが中国も手をこまねいているわけではない。中国企業が建設する首都アンカラ~イスタンブール間の高速鉄道がまもなく開通する見込みだ。 客を奪い合う歌舞伎町のホストのように日中がトルコの腕を引っ張り合うのは、この国が今後間違いなく発展する新興国だから。それに中東とヨーロッパをつなぐ場所に位置するトルコと仲良くしておけば、将来必ず役に立つ。 そのトルコはイスタ

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    daybeforeyesterday 2014/05/13
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  • 大陸と香港、深い隔たり

    今回は少々びろうな話題が出てくるので、事時に読むのはご遠慮いただきたい。 これまで何度かこの欄で書いてきたが、中国と香港の間で続く不協和音にまた新しい火種が持ち上がった。今回きっかけになったのが、繁華街で若い中国からの観光客の夫婦が幼い子供にウンチをさせていた様子を、通りがかりの香港人の若者がパシャリと写真を撮ったことだった。 ネットで目にした、その1枚と思われる写真にはいろいろな情報が詰まっていた。写真中央には道端にしゃがんでお尻を丸出しにした女の子。お尻の下にはティッシュが広げられ、脇に女性がティッシュを手にしゃがみ込んでいる。すぐそばに女の子が乗っていたらしいベビーカーがあり、父親らしい若い男性がその横に立っている。路面には香港では駐停車禁止のサインである黄色い斜線が引かれており、女の子の向こう側の歩道をたくさんの人たちが行き来する様子が映っている。看板などが映っていないので具体的

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    daybeforeyesterday 2014/05/09
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  • 中国的歴史認識とポピュリズム

    マレーシア航空機が見つからないままもう1ヶ月半あまりが経った。先週、『ニューヨーク・タイムズ』などをはじめとする欧米メディアから次々と、「中国当局は『破片らしきものが見つかった』だの『遭難機のシグナルを拾った』だのという情報を流したが、どれも根拠の無いもので結局現場を混乱させただけ」という手厳しい報道が流れた。マレーシア機乗客の3分の2を自国民が占めている中国は、なにか先手を打たなければと懸命のようだが、中国捜索船に乗船取材していた、国有通信社の新華社記者が「インド洋で飛行機から発信されている信号を受信!」と真っ先に報道して、今度は「情報をまず報道よりも先に共有する」という共同捜索チームのルールを破ったと叩かれた。 中国はとにかくこれまで捜索でなんの点数も稼げておらず、完全に欧米諸国に遅れを取っており、なんらかの手柄をアピールしたいと焦りがある。「同じ船にうちの記者も乗っていた。だが軍関係

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    daybeforeyesterday 2014/04/27
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  • シリコンバレーの意外な差別カルチャー

    外からはイノベーションと富を生み出す稀な土地と見られがちなシリコンバレーだが、実はいろいろな意味で二極化してきている。 ひとつは、よく知られた「持てる者」と「持たざる者」のギャップ。とくにサンフランシスコ市内では、テクノロジー会社の高給取りが大挙して引っ越してきたために、家賃が急上昇して店員や教師、警察官などごく普通の職業の人々が住みにくくなっている。シリコンバレーでも住宅の価格は上がっており、初めてのマイホームを買おうとしても、中間値の住宅が実際に買える人は希望者の半分程度だという。残りは、すでに持っている家を売って買う場合が多い。シリコンバレーでゼロから始めようとするのは難しくなっているのだ。 シリコンバレーのエンジニアの給料は平均10万ドルと言われる。アメリカの世帯あたり所得の中間値は5万3000ドルなので、かなり高い。だが、これも機会によって一様ではない。フェイスブックに乞われて転

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    daybeforeyesterday 2014/04/13
    わかるっちゃー、わかるが
  • 第一夫人

    先週末の北京は「やっと春だ!」と叫んでしまうほど気持ちのよい陽気だった。真冬の間にすっかり葉を落とした街路樹に緑が戻ってくるのはもうちょっと先のようだが、すでに青い芽が頭をのぞかしていた。北京名物の綿埃のような柳絮も飛び交い始め、やっとコートを脱ぐことが出来た。とはいえ、調子に乗ると夜間のまだ10度前後の気温に震えることになるのだが。 青空と共にやってきたのは、アメリカのミシェル・オバマ大統領夫人と娘二人、そして彼女の母親のロビンソン夫人だった。彼女が到着するその日にまるでアメリカが大きな空気洗浄機でも送り込んだのではないかと思うほど、懸案のPM2.5の計測値も「ヘルシー」レベルに急低下し、絶好のおでかけ日和となった。そういえば、中国で最初にアメリカ大使館が独自に計測したPM2.5の数値を公開し始めた2008年頃、PM2.5の危害が信じられない人たちが「アメリカ中国を貶めるための陰謀だ」

  • 日中の裏の裏を知る歌舞伎町案内人の決断

    今週のコラムニスト:李小牧 〔3月11日号掲載〕 歌舞伎町案内人は先月、日を初めて訪れた中国人学生50人を福島県に「案内」した。中国留学の経験のある日人学生が企画した「がんばれ福島、がんばれ日中」ツアーに同行したのだ。中国人に被災地の現状を知ってもらうため、私はこれまで何度も同種のツアーに参加してきた。福島県訪問は震災後3回目だ。 今回驚いたのは、福島県産農作物の風評被害の深刻さ。訪れた福島県農業総合センターはもともと農業関係の試験研究機関だったが、今では仕事のかなりの部分が放射線量の測定で占められている。実際、場所によっては福島県内の放射線量は上海より低く、出荷される農作物は安心してべることができる。ただ、そう受け止めることができない人は今も多い。 実はわが中国もその1人で、福島から持って帰ったイチゴを息子にべさせようとしたら、「絶対ダメ!」と激怒した(実際にべさせたら息子

  • 海に落ちた針

    これを書いている北京時間の3月13日午前現在、8日未明にクアラルンプールを北京に向けて出発した後消息を断ったマレーシア航空MH370便の「その後」に関する情報はまだまったくない。これまで伝えられていた「ベトナム領空入りした後に消息を断った」という情報に対して、11日夜遅くになって「同機はUターンしてマラッカ海峡に向かった」という情報がもたらされた。これが事実だとすると、北京に向けて東へ飛び立ったはずの同機は、西側に向かってマレーシアを飛び越えてインドネシアやタイとの境へと消えたことになる。ならばなぜ、マレーシア、インドネシア、タイのレーダーに記録されていないのか? ......などと素人のわたしが普通に抱く疑問などとっくに現場に詰めている各国の捜索チームが考えていることであり、ここではもちろんその答えが出せるわけがない。だが、この事件が長引くにつれていくつか明らかになってきたことがある。そ

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    daybeforeyesterday 2014/03/14
    落ちはりましたか