経営再建中のシャープ(大阪市)が27日から過去最大規模の希望退職者募集を始めた。社員に厳しい決断を迫る一方で、同社と「鴻海(ホンハイ)精密工業」(台湾)の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が共同出資する「堺ディスプレイプロダクト」(SDP、堺市)が好調だ。郭氏が社員のため通路に雨よけの屋根を新設し、ボーナスアップとは別に旅行券も支給するなど、元親会社のシャープとは対照的な姿を見せている。 世界最大手の電子機器受託製造サービス(EMS)の鴻海を率いる郭氏は6月20日、SDP敷地内で、屋外の社員用通路に約600メートルに渡って設けられた雨よけ屋根の安全祈願式典に出席し、テープカットを行った。 郭氏は同社の業績改善を受け、株主として受け取った配当を社員に還元しようと屋根を新設。社内では「テリー・ロード」の愛称で呼ばれているという。 SDPはシャープの元子会社で、現在もシャープ出身者が会長と社長に就任し