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  • 非定型的パーキンソニズムにおけるBicycle sign - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    Lancet誌に非定型的パーキンソニズムとパーキンソン病の鑑別に有用な方法が報告されている.ただ「自転車に乗れますか?」と質問するのである. 診断が確定していない156名のパーキンソニズムを呈する患者に対し,前向き観察研究が行われた.最初の段階で111名が自転車に乗れた.罹病期間が30ヶ月経過した後,臨床的にパーキンソン病45名,非定型的パーキンソニズム66名(MSA 35名,PSP 9名,LBD 3名,CBS 2名,血管性パーキンソニズム 17名)と診断された.パーキンソン病では2名(2/45;4.4%)が自転車に乗れなくなっていたが,非定型的パーキンソニズムでは34名(66;51.5%)が自転車に乗れなくなっていた. これをBicycle signとして,診断への有用性を評価すると,感度52%,特異度96%,AUC(area under curve)0.74と良好な結果であった.回帰分

    非定型的パーキンソニズムにおけるBicycle sign - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • インスリンによる高血糖補正は脳梗塞の予後の改善に有用か? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    私が以前留学中していたカルフォルニアの大学の脳卒中センターでは,tPAによる治療可能時間を過ぎてしまった脳梗塞患者に対しては,体温と血糖のコントロールを厳密に行なっていた.発熱している場合,解熱剤で下げ(normothermia),血糖はインスリンをsliding scaleにより使用し,厳密にコントロールを行っていた.発熱と高血糖は脳梗塞拡大をもたらすという考えに基づいてこれらの治療が行われている. 高血糖はなぜ脳梗塞の予後を増悪させるか?2つのメカニズムが提唱されている.ひとつは虚血に陥って死にかけている虚血性ペナンブラに存在する神経細胞が,高血糖と血流途絶に伴い生じた乳酸アシドーシスにより完全に死に至る(虚血中心に置き換わる)というもの.もうひとつは,高血糖はtPA後の出血合併のリスクを高めるという考えである.しかし,実際に高血糖をインスリンで是正することで,予後を改善出来るかという

    インスリンによる高血糖補正は脳梗塞の予後の改善に有用か? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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    dbth 2010/07/26
    有意差なし。
  • 症候性ナルコレプシーの新たな原因 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    何らかの基礎疾患に伴って発症するナルコレプシー(症候性ナルコレプシー)として,腫瘍や外傷に伴う症例が知られていたが,近年,脱髄性疾患においても過眠症を合併するという症例報告が散見されるようになった.ブログにおいても,血清抗アクアポリン4(AQP4)抗体が陽性で,左右対称性の視床下部病変を呈した過眠症の症例報告を取り上げたが,今回,多発性硬化症やNMOに合併した症候性ナルコレプシー,および過眠症症例の臨床像の解析が報告された(秋田大,新潟大,東北大,スタンフォード大学等の共同研究). 対象は,多発性硬化症やNMOと臨床診断され,日中の過眠症(excessive daytime sleepiness; EDS)を呈した7症例である(既報例を含む).いずれも日人で,6名が女性であった.MRI所見,髄液オレキシン(ヒポクレチン),および血清抗AQP4抗体の評価を行っている. 頭部MRIでは,全

    症候性ナルコレプシーの新たな原因 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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    dbth 2010/07/08
  • リルゾールが小脳失調に有効らしい - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    リルゾールはグルタミン酸による興奮性神経毒性を抑え,神経細胞を保護する作用を持つ薬剤として,ALSに対し臨床応用されている.このリルゾールが小脳失調に有効であるというランダム化比較試験(RCT)がNuerology誌に報告されている(イタリアからの報告). 対象は異なる原因により小脳失調を呈した40名の症例.実薬群はリルゾール100mg(ALSにおける処方と同じ用量)とし,8週間内服を継続した.アウトカムは以下の3つの項目で評価した.①ICARSによる評価で5点以上改善が見られた症例の割合(4週及び8週で評価),②8週間におけるICARSの点数の改善(総点数と副次項目の点数),③副作用. 結果としては,①については,4週の時点でICARSが5点以上改善した症例の割合は,実薬群,偽薬群でそれぞれ9/19 vs 1/19.つまりオッズ比を計算すると9/10÷1/18=16.2(95% 信頼区間

    リルゾールが小脳失調に有効らしい - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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    dbth 2010/06/27
  • すくみ足の目立つパーキンソン病患者さんに対する驚くようなリハビリ方法 - Neurology

    少々,忙しいことを言い訳にして投稿もご無沙汰になってしまったが,「これは書いておきたい!」というケースレポートを見つけたので久しぶりに再開した. 患者さんはオランダ人の58歳男性,特発性パーキンソン病と診断され,発症10年を経過し,歩行時にすくみ足を認める.ビデオで見る限り,極めて高度のすくみ足を認めるのだが,なんと次のビデオでは自転車をスイスイ乗りこなす場面を見ることになる.きちんとペダルを漕ぎ,そしてハンドルもうまく操って,くるっと一回りして元の場所に戻ってきた・・・いやはやとても驚いた. なぜ自転車なら上手に乗れるのだろう.症例報告はごく短いもので,あまり考察もされていないのだが,著者らは歩行と,自転車のペダルをこぐという2つの動作では,その motor control mechanism が異なっているのだろうと言っている(よく分からない説明だが,感覚的に分からないでもない).さら

    すくみ足の目立つパーキンソン病患者さんに対する驚くようなリハビリ方法 - Neurology
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    dbth 2010/04/07
  • 米国神経学会のALSに関する新ガイドラインを読む(1) - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    1999年,米国神経学会(AAN)によるALSに対するpractice guidelineが公表されたが,このあとの10年間の臨床研究の進歩を取り込んだ新しいガイドラインが先日公開された.このガイドラインの変更点についてまとめてみたいが,その前に,AANのガイドラインはどのように作られるのか,またそれを学ぶ意義について整理したい. ① ガイドラインの作り方を学ぶ意義 まずガイドラインの作成プロセスを学ぶことは,「日常診療における疑問を解決する正しいお作法を学ぶこと」につながると個人的には考えている.冒頭の図はAAN作成のスライドだが,ガイドライン作成のプロセスは3つに分けられる. (1)clinical question(CQ)を作る (2)evidence を集め,その重み(Class)を決める (3)そこから結論(Level)を導く でもこのプロセスは,ガイドラインがないような症例数の

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    dbth 2009/11/16
  • 脊髄小脳変性症2型(SCA2)の頸部ジストニアに対するL-DOPA補充療法 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    SCA2ではパーキンソニズムやジストニアなどの錐体外路症状を合併するが,その治療法については十分に検討はなされていない.今回,SCA2における頸部ジストニアに対し,L-DOPAと抗コリン剤が有効であった症例が邦より報告されている. 症例は家族歴を有する51歳の男性で,44歳時に失調歩行にて発症した.神経学的には,四肢・体幹の運動失調,眼球運動制限,緩徐眼球運動,断綴言語,四肢腱反射減弱,前頭葉徴候を認めた.頭部MRIでは,小脳・橋が萎縮しており,遺伝子検査ではataxin 2遺伝子におけるCAGリピートの伸長(42リピート)を認め,診断を確定した. 不随意運動は50歳頃より頚部に認められるようになった.胸鎖乳突筋の筋トーヌスが右優位に亢進し,かつ左右交互に収縮するため,頭部は左へ回旋し,さらに 4Hzの振戦様運動を呈した.表面筋電図でも同様の所見が確認され,かつ感覚性トリックも認めたため

    脊髄小脳変性症2型(SCA2)の頸部ジストニアに対するL-DOPA補充療法 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • 妊婦さんの抗てんかん薬の内服と児の認知機能への影響 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    てんかん治療のなかで悩むことの代表は,妊娠・出産を計画している女性患者に対する抗てんかん薬(AED)の選択である.邦の「てんかん治療ガイドライン」ではどのように薬剤を選択し,その内服をどのように決定すべきか具体的には分からない内容である.ただしバルプロ酸は避けるべき,多剤併用は避けるべき,用量を最低限にし,急峻な血中濃度上昇をさけるべき,といった共通認識がある.バルプロ酸であっても,単剤で,徐放錠とし,低い血中濃度に保てれば,あればあまり問題はないという専門医の意見を聞いたこともある. 一方,治療の判断を難しくしている要因に新しい薬剤が(中途半端に)使用できる状況になったことが挙げられる.催奇形性が少ないといわれるラモトリギンが邦でも使用可能となり,積極的に妊娠・出産を計画している女性に使用しようと考えた.しかし,邦での適応は「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の

    妊婦さんの抗てんかん薬の内服と児の認知機能への影響 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • NMO-IgGが血清で陰性,髄液で陽性というケース - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    NMO spectrum disorderが疑われたものの,血清NMO-IgGが陰性で,髄液NMO-IgGのみ陽性であった3症例のcase seriesが報告されている(Washington Universityからの報告).いずれの症例も急性に発症する縦長の横断性脊髄病変を呈したが,頭部MRIは正常で,視神経炎の合併も認めなかった.いずれも発症2年以内で,初発から数か月以内に生じた2度目の再発は重症であった.血清では3例とも120倍希釈で陰性であったが,同時に施行した髄液の測定では陽性であった(いずれもMayo Medical Laboratoriesで行った).いずれも症例もAlb indexは正常で,血液脳関門は保たれていると考えられた. Discussionの中で,もし血清NMO-IgGが陰性であっても,臨床的にNMO spectrum disorderを疑う以下のような病態を呈し

  • Binswanger病の診断と病態 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    脳血管性認知症(vascular dementia:VD)は脳血管障害に関連して出現した認知症を総称したもので,その頻度はアルツハイマー病に次いで多い.VDには様々なタイプが存在し,多発梗塞性認知症(large vesselの閉塞),小血管病変による認知症(small vesselの閉塞),低灌流性脳血管性認知症,脳出血性脳血管性認知症などに分けられる. small vesselの閉塞はさらに,「多発性ラクナ梗塞」および「Binswanger病(進行性皮質下血管性脳症)」に大別される(このあたりは日認知症学会による認知症テキストブックの記載が分かりやすい).「多発性ラクナ梗塞」は直径15mm以下のラクナ梗塞が,大脳基底核,白質,視床,橋などに多発し,片麻痺や偽性球麻痺などとともに認知症を示す.一方,「Binswanger病」は大脳白質に広範,かつ,びまん性にMRIの異常信号を呈する.「B

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    dbth 2009/03/16
    Binswangerが細血管の潅流障害から組織障害のフリーラジカルを介して脱髄や炎症が起こっている可能性。
  • International stroke conference 2009に参加して - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    San Diegoで開催されたInternational stroke conference 2009に参加した.Convention center内の5,6か所の会場で,同時並行して演題発表が行われるため,学会の全体像はつかみにくいのだが,臨床研究と比べるとbasic scienceは低調という印象と,中国人の発表が目立つ印象を持った(中国人の多いCaliforniaという土地柄だけでなく,中国からの臨床の発表もいくつかあった).臨床ではt-PAのtherapeutic time windowが4.5時間まで延びたというECASS-3はトピックのひとつであったが,その他,機械的に血管内閉塞血栓を除去するmechanical thrombolysisの新しい装置で,micro-catheterの先端から血栓を吸引しながら除去するpenumbra systemの市販後調査や,よく仕組みは分か

    International stroke conference 2009に参加して - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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    dbth 2009/02/23
  • 神経サルコイドーシスに対するインフリキシマブとミコフェノール酸モフェチルの併用療法の効果 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    神経サルコイドーシスではその5%程度に中枢神経合併症が認められる.しばしば治療が困難で,報告によってはその70%において,ステロイドや免疫抑制剤による治療に抵抗性と言われ,再発や進行性の経過をとることがある.とくにステロイドの減量中に再発するため,ステロイド治療が長期化し臨床上問題となる.新規治療法の確立が望まれている疾患のひとつである. 症は動物モデルにおいて,肺胞マクロファージにおけるTNFα発現と肺病変の活動性に関連があることが知られ,さらにTNFαを抑制することが治療として有効であることが示唆されている.TNFαを特異的に抑制する薬剤が治療に有効と考えられるが,具体的候補としてはTNFαに対するヒトキメラ・モノクローナル抗体(インフリキシマブ;商品名レミケード)が第一に考えられる.この薬剤は邦では,慢性関節リウマチ,クローン病,ベーチェット病の眼病変に適応があり,欧米では強直性

    神経サルコイドーシスに対するインフリキシマブとミコフェノール酸モフェチルの併用療法の効果 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • 三叉神経痛に対するカルバマゼピンとトリプタンの併用療法 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    三叉神経痛は,顔や口の中など三叉神経によって支配される領域に発生する痛みのことで,原因としてはヘルペス感染や動脈による圧迫などにより生じる.治療としては薬物療法,神経ブロック,手術による三叉神経の圧迫の解除が挙げられる.薬物療法としては,抗てんかん薬カルバマゼピン,フェニトイン,ガバペンチンが使用される.このなかで大規模のランダム化比較試験にてその有効性が証明されているのはカルバマゼピンであるが,重篤な副作用を呈する患者さんも稀に存在する. 2006年,再発性の三叉神経痛に対し,片頭痛薬スマトリプタン(5-HT1B/1D受容体作動薬)の皮下注射が有効であることが,邦24症例を対象にしたランダム化比較試験にて示された(Headache 46; 577-582, 2006).この試験では8割の患者にて除痛効果が得られ,5割の患者では痛みが完全に消失した.なぜ片頭痛治療薬が三叉神経痛に有効か不

    三叉神経痛に対するカルバマゼピンとトリプタンの併用療法 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • 脳疾患における高体温による予後への影響に関するメタ解析 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    高体温は,脳梗塞や脳外傷などにおいてしばしば合併し,予後を悪化させることが知られている.しかしながらどのような脳疾患でも予後を悪化させるのか?その影響は統計学的に有意で,大きなものであるのか?またどのような評価尺度においてその影響が確認されるのか?については十分検討されていない.今回,脳疾患における高体温の影響を調べたメタ解析の結果がMGHより報告された(メタ解析とは,過去に独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集・統合し,統計的方法を用いて解析した系統的総説のことである). 方法については,まず採用する論文の選択は,PubMedによる検索で「stroke, neurological injury, thermoregulation, fever, and cooling」という用語をカバーするものとし,1995年1月以降,英語で書かれたヒトに関する1139論文をまず収集した(注;Pu

    脳疾患における高体温による予後への影響に関するメタ解析 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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    dbth 2009/01/12
    脳疾患での高体温が予後を悪化させる。解熱推奨。
  • 多系統萎縮症(MSA)改訂診断基準  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    多系統萎縮症の診断基準の改訂については,過去に当ブログでも紹介したが,正式に論文として報告されたので紹介したい.ただし私の行った日語訳は一部意訳を行っているので,ぜひオリジナルをご参照いただきたい. <改訂診断基準> 従来通り,definite, probable, possibleに分類し,さらにMSA-PとMSA-Cに分類する. 1. Definite MSA 病理学的に,中枢神経広範に多数の-synuclein陽性glial cytoplasmic inclusion(GCI)を認め,線条体黒質系もしくはオリーブ橋小脳系の変性所見を伴う. 2. Probable MSA 孤発性で進行性の成人発症(30歳以降)の変性疾患で,自律神経障害に加え,レボドパ不応性のパーキンソニズムか,小脳症状を呈する ここでの自律神経障害とは,尿失禁に加え,勃起不全(男性)か,もしくは起立後3分以内に少

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    dbth 2008/10/03
  • 4時間半までt-PAによる血栓溶解療法は可能! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    血栓溶解薬「組織型プラスミノゲン・アクチベーター(t-PA)」は発症3時間以内の脳梗塞患者に静脈注射すると,3ヶ月後の機能回復が偽薬群に比べ有意に良好であることが示され(N Engl J Med 1995),「初の格的脳梗塞治療薬」として全世界で承認された.しかしその後,therapeutic time windowの延長を目的として,発症6時間までの患者を対象にしたstudyが行われたが(具体的にはECASS(European Cooperative Acute Stroke Study)1,ECASS 2,ATLANTISといったstudyがこれにあたる),残念ながらこれらは6時間以内のt-PAの有効性を証明できなかった.この原因として,合併症としての脳出血が大きく影響していることも明らかになっている. しかし,良く考えてみると3時間の次の検討が「6時間」というのは,time win

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    dbth 2008/09/28
  • 多系統萎縮症における突然死は気管切開では防げない - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    邦より多系統萎縮症(multiple system atrophy; MSA)における突然死の頻度や特徴,予防的治療の効果についての検討が報告された.対象はGilman分類におけるprobable MSA患者47名であり,5年間の経過観察が行われた.予防的治療は,①睡眠中の高度の低酸素血症(CT90>10%;検査中にSpO2が90%を下回る割合が10%を超す),②声帯外転麻痺,③繰り返す誤嚥性肺炎を認める場合に行っている.具体的な方法としては,①②に対しては非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を行い,③に対しては気管切開術を行っている.最終的に,上記の基準を満たし,同意を得られた25名に対し予防的治療が行われた. 結果としては,NPPV は適切な圧設定により,いびきや喉頭喘鳴をほぼ消失させ,さらに睡眠中の低酸素血症を改善することができた.死因に関する検討では,5年間の経過観察中の死亡者は10

    多系統萎縮症における突然死は気管切開では防げない - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • AIDS合併症の進行性多巣性白質脳症は抗精神薬で治療できる? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    進行性多巣性白質脳症(PML)は,polyoma virusのひとつであるJCウイルス(JCV)による中枢神経日和見感染症である.AIDSのような免疫不全状態でJCVに感染すると,oligodendroglia内においてウイルスが増殖し脱髄に至る.AIDS患者の約5%で発症すると言われているが,これまで治療は不可能と考えられてきた. 今回,Brown Univ.より,セロトニン受容体5HT2ARが,ヒトのグリア細胞上でJCVの細胞受容体として機能することが報告された.すなわち,5HT2A受容体拮抗薬がJCV感染を抑制し,さらに5HT2A受容体に対するモノクローナル抗体は,JCVによるグリア細胞への感染を阻害した(一方,SV40によるグリア細胞感染は阻害しなかった).5HT2A受容体をKOしたHeLa細胞へ5HT2A受容体をtransfectionすると,ウイルス感染能が獲得され,さらにこの

    AIDS合併症の進行性多巣性白質脳症は抗精神薬で治療できる? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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