(英エコノミスト誌 2012年10月27日号) 国内での経済的抑圧を受け、海外に流れる中国マネーが増えている。 ノーベル賞を受賞した経済学者で自由市場の主唱者であるミルトン・フリードマンは、1980年に初めて中国を訪れた。典型的な旅行者とは異なり、彼はチップを支払う習慣がないことについて不満を訴えた。 結局のところ、チップは価格(良いサービスに対する対価)を表すものであり、価格には、最も有効に使われるところに資源を配分するという魔法を自由に使わせるべきだとフリードマンは確信していた。 そして彼は中国で、チップの習慣がないと、ホテルのポーターがスーツケースと格闘している疲れ果てた米国人に手を貸す動機が存在しないことに気づいた。 フリードマンは、経済的な自由は政治的な自由の必要条件だと主張していた。しかし1962年刊行の著書『資本主義と自由』では、経済的な自由は政治的な自由がなくとも発展できる