(2012年5月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 中国で働く日本人ビジネスマンやビジネスウーマンは最近、愚痴のネタには事欠かない。何しろ中国の官僚の行動は予測がつかず、道路は渋滞し、物価は上がり、スモッグは分厚くなる一方なのだ。 急増する対中直接投資 しかし、そのせいで商談が流れてしまうことはない。日本から中国への直接投資はここ数年比較的落ち着いていたが、中国商務省の統計によれば2011年には50%近い伸びを示し、63億ドルに達したという。中国の統計データは完璧にはほど遠い。例えば、外国からの投資は香港経由で大量に行われている。 しかし、昨年の日本の統計では、これを上回る伸びが記録されている。何かが起きていることは明らかだ。 日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所の箱崎大氏は、長らく検討してきたプロジェクトについに着手した日本企業がいくつかあると話している。日本の国内市場の成長が弱