【ロンドン=橋本聡】イギリスの官庁がこの4年間に90回以上も組織改編を繰り返し、英国会計検査院から「むだ遣い」を厳しく指摘された。改編は総選挙や内閣改造の直後にしばしばあるが、18日に公表された報告書によると、目的が十分に説明されず、「新しい組織が何をやるのか事業計画が決まっていないことも多い」という。 前回総選挙があった2005年5月から09年6月までにあった、省庁や出先機関の改編のうち規模の大きな51回を調べたら、1回の平均経費はオフィスの模様替えや事務機器整備、人件費などで1500万ポンド(約20億円)。1年あたりでは約2億ポンド(約280億円)に上った。 英国では1980年以降、25の中央省庁が生まれ、このうち13は統合などですでに消えた。組織いじりの横行を見かねたモース会計検査院長は「コストを考えてもっと慎重に計画し、回数を減らしていただきたい」と苦言を呈した。 内閣府報道