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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (15)

  • イラクはどこまで解体されるか

    6月10日に北部モースルが陥落して以降、イラク分裂の危機が現実性を持って語られるようになった。「イラクとシャームのイスラーム国」(ISIS)勢力は、北はモースルからティクリートまでを、西はファッルージャからバグダードに向かうルートを制圧し、さらに東方のディヤーラ県まで勢力を拡大している。ISISの制圧地域が地理的に「スンナ派地帯」だからというので、「イラクの宗派別分裂」が言われるのだが、事態はより深刻だ。なぜなら、分裂は地理上の問題ではなく、現政府が一つのまとまった国家領域としてのイラクを守ろう、という意思と能力がないことが、露呈されたからだ。 モースルが陥落した際に、これを守るべきイラク国軍はさっさと逃げたと、前回のコラムで述べた。イラク国軍や警察は、イラク国民をではなく、自らの宗派や民族を守ることにばかり、専念しているのだ。それだけではない。マーリキー首相をはじめとして、政府要人たちの

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    deep_one 2014/06/16
    だがイランにイライラ戦争を再現する体力があるのだろうか?
  • 「ビットコイン」の盗難事件で仮想通貨は終わるか

    インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の最大手の取引所、「マウント・ゴックス」がサービスを停止した。いまだに公式の説明はないが、東京に社を置く同社のホームページには、日時間の26日早朝に次のようなメッセージが掲載された。 最近の報道とマウント・ゴックスの営業と市場に対する影響を考慮して、サイトと利用者を保護するために当分すべての取引を停止する決定が行なわれた。状況を仔細に監視して対応する。 ネット上には"Crisis Strategy Draft"と題した出所不明の文書が流れているが、同社はその内容を否定していないので内部文書と思われる。それによれば、システムの欠陥を悪用した犯罪で74万4408BTCが盗まれたという。BTCはビットコインの通貨単位で(稿を書いている段階で)1BTC=約5万7000円なので、これで換算すると約424億円。マウント・ゴックスはビットコインの7割を取引

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    deep_one 2014/02/27
    「信用に足るシステムを築いているなら決済手数料はそんなに安くない」が真実だと思う。
  • 特定秘密保護法は「治安維持法」ではなく「スパイ防止法」である

    防衛・外交などの「特定秘密」を指定する特定秘密保護法案は衆議院を通過したが、参議院では自民党の石破幹事長の失言を野党が追及し、12月6日に会期末を控えてぎりぎりの駆け引きが続いている。朝日新聞を先頭に、メディアは「特定秘密保護法反対」の大合唱だが、そのほとんどは誤解である。 一番よくある誤解は「戦前の治安維持法のように言論統制を行なう法律だ」というものだ。治安維持法はすべての国民を対象にする法律だったが、特定秘密保護法は「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定める」(第1条)ものであり、その対象は一般国民ではない。 規制対象になる「特定秘密の取扱者」は主として国家公務員だが、政治家も含まれる。政治家の情報管理はいい加減で、2001年の同時多発テロのときは田中真紀子外相が国防総省の避難先を記者会見でしゃ

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    deep_one 2013/12/26
    描かれている論理は穴だらけな気がするが、それ以前にスパイ防止法もやばい法律だって事分かっているのか?スパイの容疑者っていうのは大量の一般国民なんですよ?レーン・宮沢事件…/タイトルの時点で既に駄目だ。
  • 仏紙の風刺画は被災者を傷つけたか

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月8日号掲載〕 2020年東京五輪が決まった直後、フランスの週刊紙カナール・アンシェネが日で五輪が開催されることを皮肉った風刺画を掲載した。福島第一原発の放射能汚染で手や足が3になった力士が相撲を取る漫画だ。これを受けて、菅義偉官房長官は「東日大震災で被災した方々の気持ちを傷つける。汚染水問題について誤った印象を与える不適切な報道だ」と述べ、この風刺画に対し公式に抗議した。 フランスのメディアが日政府の怒りを買うのはこれが初めてではない。昨年10月にもフランスのテレビ番組が福島原発事故に関連する同様のジョークを放送し、物議を醸した。 フランスには長い風刺の歴史がある。1881年の出版自由法以来、フランスでは滑稽でひどく残酷な風刺画が発達してきた。誰かの悲劇や苦境をからかうのも表現の自由の一部と考えられている。権力者を皮肉るだけにとどまらず

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    deep_one 2013/10/17
  • エジプト、シリア、ケニア、イラン:90年代の再来?

    このところの中東情勢を見ていると、90年代に逆戻りしたのではないか、とのデジャブ感に襲われる。 ムルスィー政権を倒したあとのエジプトでは、ムスリム同胞団の幹部、指導者の逮捕に続いて、NGOとしての同胞団の活動も禁止された。これは、「政治活動はダメだが社会慈善事業はOK」としてきたムバーラク政権時代よりも、イスラーム組織への締め付けが一層厳しくなっている。 シリア内戦では、案の定オバマ米大統領は振り上げた拳の落としどころに悩み、結局中途半端なままうやむやになった。米国がシリア情勢に手を出せないことが露呈された分、内戦はますます解決が遠のいている。前回のコラムで指摘したように、経済制裁下のイラクを持て余したクリントン政権の姿と、被る。 シリアはイラクの二の舞なだけではなく、アフガニスタンの二の舞化もたどっている。反政府勢力のなかにイスラーム武装勢力が大量に流れ込んでいることは自明で、かつてター

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    deep_one 2013/10/02
  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

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    deep_one 2013/09/11
    梅小路の水族館はおそらくJRのコンクリ製社宅の跡地に作られたものだが。/いっておくが京都にはすごく普通の民家で「築不明」がたくさんあるんだ。この辺で我慢してくれ。http://www.zerohome.jp/tenjijo/kyoto/machinaka.html
  • 嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月30日号掲載〕 6月30日、私は最近話題になっている嫌韓デモに行ってみた。このデモは東京の新大久保で何年も前から、毎週日曜日に行われているものだ。私は不安を胸に家を出た。自分の身も心配だったが、新大久保の人々のことも、日の対外イメージのことも心配だった。 実は新大久保はサンフランシスコのチャイナタウンやパリの日人街と同じような「観光スポット」だ。外国人にとって、新大久保のコリアンタウンを歩くことは伊勢丹新宿店の地階と同じくらい楽しさと驚きに満ちている。伊勢丹が日がいかに洗練されているかを示しているとすれば、新大久保の街が示しているのは日が外国人に対してフレンドリーで開かれた国であり、他国の文化が生き生きと存在できる国だということだ。 だがデモのせいで、新大久保は日が外国人にとっていかに不快な国になり得るかを象徴する場所となった。嫌韓デモ

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    deep_one 2013/08/19
  • 政治家を育てる質問

    12月16日の衆議院選挙投票日。テレビ東京の開票特番「池上彰の総選挙ライブ」を担当しました。 放送中から思わぬ反響をいただき、テレビ東京にはいまも再放送やDVDの発売を求める声が寄せられているそうです。 テレビ東京の人たちはもちろんのこと、外部スタッフが総力を挙げて制作・放送したものですから、当然の評価とはいえ、その一翼を担った私も嬉しく思います。 いつも「いい質問ですね」が口癖の私としては、視聴者に「いい質問ですね」と言ってもらえる内容を目指したからです。 ただ、党首や候補者への私のインタビューは、ジャーナリストとして当然のことをしたまでで、これに関する評価は面映ゆいものがあります。 というのも、たとえばアメリカテレビ政治番組なら、政治家に対しての容赦ない切り込み、突っ込みは当然のことだからです。 日なら「失礼な質問」に当たるようなことでも、平然として質問をしますし、質問を受けた側

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    deep_one 2012/12/25
    池上彰の芸風と田原総一朗の芸風は似ているのだろうか?/政治家から「嫌な質問ですね(痛いところ突いてきますね)」と言われるのがいい政治記者だろう。嫌われるけど。
  • 「你幸福嗎?(あなたは幸せですか?)」

    10月初め、中国の国営放送、中央電視台のニュース番組で、「你幸福嗎?」(あなたは幸せですか?)とマイクをつきつけられた人が、「我姓曽」(わたしは曽と言います)と答える様子が放送され、大きな話題になった。このまったく噛み合っていない問答が中国のいろいろな現実を、見る人たちに思い起こさせたからだ。 一つは、マイクをつきつけられた相手が、農村から一時的に都会に働きに来た「民工」、つまり出稼ぎ者だったこと。日頃、都会の市民の目にはほぼ「透明人間」状態の彼らは、都市のいわゆる「3K」業をすべて担っている。都市では欠かすことのできない存在だが、この街での生活を文字通りエンジョイしている人たちの目にはほとんど彼らの存在は入っていない。そして彼ら自身も習慣的に「自分とは関係のない人たち」との付き合いに無頓着だ。ある意味、現代中国独特の年における階級社会では底辺にいる彼らに国営放送の記者が突然スポットライト

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    deep_one 2012/10/31
    あなたは幸せさんですか?
  • 原発事故で600人以上の死者をもたらしたのは放射能ではない

    福島第一原発事故についての政府の事故調査・検証委員会の最終報告書には、あまり目立たないが重要な指摘がある。双葉病院(福島県大熊町)とその系列の介護施設で患者など約50人が死亡した事件について、8ページにわたって記述しているのだ。 事故直後の昨年3月12日朝、周辺10キロに避難指示が出たのを受けて大熊町は大型バス5台を病院に派遣して209人を救助した。このとき寝たきり患者ら230人が取り残されたが、大熊町は避難が完了したと誤認して放置した。「患者が残っている」という連絡を受けて陸上自衛隊が救助を始めたのは2日後で、寝たきりの患者を長時間搬送し、避難所の施設も不十分だったために多数の患者が死亡した。 報告書はこの原因を「町と自衛隊の連携が不適切だった」と指摘しているが、問題はそれだけではない。双葉病院は福島第一原発から南西4キロの位置にあるが、風は北西に吹いていたので、それほど緊急に避難する必

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    deep_one 2012/08/02
    あれって、「1mSVの上昇」ではないのかねぇ…あの文書、構成がよく分からない上に大部で難しいんでよく分からないのだが。/日本は世界平均より通常のレベルが低いから、さらに余裕ありそうだが。
  • エジプト:祭りの後、でもまたいつでも祭りは起きる

    とうとうムバーラクが辞任した。 1月25日の大規模デモ以来、繰り返される民衆の抗議に押されながらも三週間弱、権力に固執し続けたが、くしくもイラン革命と同じ日、ムバーラク政権は民衆に倒される形となった。 暫定政権を担うのが軍であることには代わりがない。憲法や議会など、政治システムの変革がどう進められるかは、未知数だ。長い目で見たら何も変わらなかった、という結果にならない保証はない。 だが、今後どのような変化が訪れるにせよ、今回民衆運動の勝利が、決定的にエジプト社会の政治意識を変えたことは間違いない。 第一には、普通の人々が体制に挑戦することを恐れなくなったことだ。アラブの長期政権のほとんどが生き延びてきた理由は、現政権が倒れたときに訪れるであろう混乱と変動に、人々が恐怖を抱いたからである。慣れ親しんだコネ関係、暗黙のうちに了解される「超えてはいけない一線」――。長年のゲームルールがなくなった

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    deep_one 2011/02/17
    これ、「大衆は無責任」とも括れるんだがね…。アナーキズムを指向しているのでない限り。
  • エジプト:軍とイスラム勢力にまつわる「誤解」

    一週間前、エジプトの反ムバーラク勢力が「怒りの日」に結集したときには、こうも急速に事態が展開するとは予想できなかった。3日ごとに組織される数十万規模のデモ、外出禁止にも従わず終日ムバーラク退陣を叫ぶ若者。米政権も現政権を見限り、30年間のムバーラク大統領の治世は終焉を迎えつつある。 「ムバーラク政権の独裁に反対する民衆に、軍も共感し、反政府勢力のムバーラク下ろしが勢いを増しているが、野党のなかで最も強力なイスラーム主義のムスリム同胞団が新体制下で支配的になり、イランのようになるから危険だ」――。これまでの報道振りをまとめると、こんな感じだろう。だが、このロジックに強い違和感を覚える。 第一は、軍に対する認識である。ムバーラク政権は、52年以来続いてきた紛うことなき軍事政権である。52年の共和制革命を担った主役として、以来軍は支配層の中核にあった。ムバーラク批判が強まるにつれて、軍が真っ先に

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    deep_one 2011/02/03
    ムスリム同胞団が注目されるのは、本当に民主選挙をする事になったら間違いなく票を集めるからでは?/というか、カラー革命との類似性をひくなら、同様に今後の展開は楽観視できないと思う。
  • スカイツリーは東京衰退のシンボルだ | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー パリにモンパルナス・タワーが完成したのは1972年。フランスで一番高い超高層ビルとして、街の中心部に誕生した。この建物は当時、現代化への道をひた走る「新生フランス」をリードする「新生パリ」のエスプリのシンボルして期待された。それは「ほかの先進工業諸国に遅れを取るものか」という意思表示だった。 だがその外観はといえば、六木ヒルズよりはややマシという程度の醜悪さ。時とともに、モンパルナス・タワーは大きな過ちだったことが明らかになってきた。パリの景観を壊しているのだ。 パリは歴史的に「平ら」な都市だ。太陽の光はまっすぐ地面に届き、木々はすくすくと育つ。たちの悪い旅行会社にそそのかされでもしない限り、モンパルナス・タワーを訪れる日人観光客などいないだろう。パリにはこんなジョークもあるくらいだ。「パリで最も美しい景色は、モンパルナス・タワーからの眺め。なぜか

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    deep_one 2010/12/20
  • 恐ろしいのは円高でもデフレでもない | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    14日のロンドン市場では、ついに1ドル=80円台に突入したが、私が資産を運用している大手の外資系銀行のファンドマネジャーからかかってきた電話は「円建て資産を売りませんか」だった。私が「実質実効為替レートでみると、円はまだ安い。この先まだ上がるんじゃありませんか?」というと、彼は「目先は80円を切るかもしれないが、われわれは今が(ドル円の)底値圏とみています」。 名目為替レート(ドル/円 左目盛)と実質実効為替レート(2005年=100 右目盛) それはなぜか、という私の質問に対する彼の答は明快だった。たしかに図のように、インフレ率などを勘案した実質実効レートでみると、今の円相場はここ15年の平均程度だ。しかし彼によれば「それが日経済の実力なんですよ」。名目レートで円が強いように見えるのは、アメリカの物価が15年間に30%以上あがったのに対して、日はほぼゼロだったためで、購買力でみた円の

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    deep_one 2010/10/15
    いや、日本以外の外貨も存分に危険だから。個人的にはドルと元はない。どうして金価格が異常なレベルにあると(笑)/今後誰が国債を買うのか?は普遍的に出される話。
  • 電子書籍端末「ガラパゴス」は絶滅するか進化するか

    シャープの電子書籍サービス「ガラパゴス」が話題を呼んでいる。何より人々を驚かせたのは、その大胆なネーミングだ。ガラパゴスというのは、ダーウィンが進化論の発想を得た島の名前から来たもので、世界から孤立した環境で開発され、高機能だが世界に売れない日の携帯電話は「ガラケー」(ガラパゴス携帯)として軽蔑されてきた。それをサービスと端末の正式名称にするのは、ちょっとしたブラックユーモアである。 ただシャープは大まじめで、岡田圭子オンリーワン商品・デザイン部長は、ガラパゴスを「変化に敏感に対応する進化の象徴としてとらえている」という。「世界市場をめざす」というが、その規格はXMDFというシャープの独自規格で、海外に市場があるとは思えない。縦書きもルビも、日以外の国では意味がないからだ。基的には、国内向けのサービスと考えたほうがいいだろう。 シャープが独自規格でコンテンツから端末までほぼ一元的に

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    deep_one 2010/10/01
    ルビは知らんが、縦書きは中国等で必要だろう。/端末はAndroidなので、EPUBを使うことも出来る。かつて国内で失敗してきた路線とはその辺の自由度が違う。
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