※本記事は筆者RyotaKが英語で執筆した記事を、弊社セキュリティエンジニアShion1305が日本語に翻訳したものになります。 はじめに こんにちは、Flatt SecurityでセキュリティエンジニアをしているRyotaK(@ryotkak)です。 2023年にPortSwigger社のJames Kettle氏は、同社の記事でSingle-packet attackという新しい攻撃手法を提案しました。これはネットワークのジッター値に関係なくレースコンディションを悪用できるというものです。 Smashing the state machine: the true potential of web race conditionsより引用 最近私は、同時に約10,000件のリクエストを送信することで安定して成立するレースコンディションを発見し、Single-packet attackを適用
Ubuntuではセキュリティ対策の一環としてAppArmorを採用しています。AppArmorを使えば、任意のプログラムに対して、意図しないファイルやデバイスのアクセスを阻害したり、サブプロセスに対するセキュリティ制約をかけたりできます。今回はあまり意識することのないものの、知っておくといつか役に立つかもしれない、実際に役に立つ時はあまり来てほしくないAppArmorについて紹介しましょう。 AppArmorとMACとLSMと 「AppArmor」は「名前ベースの強制アクセス制御で、LSMを用いて実装されている仕組み」と紹介されることがあります。これはどういう意味でしょうか。 まずはAppArmorの特徴となる「名前ベース(もしくはパス名ベース)」についてですが、これは「セキュリティ設定を対象となるファイルパスを元に設定する」ことを意味します。つまりファイルパスごとに、何を許可し何を許可し
GitHubでは削除されていたりプライベートに設定されていたりするフォークやリポジトリに誰でもアクセスでき、さらにその動作が欠陥ではなく仕様通りであるとオープンソースセキュリティ企業のTruffle Securityがブログに投稿しました。 Anyone can Access Deleted and Private Repository Data on GitHub ◆ Truffle Security Co. https://trufflesecurity.com/blog/anyone-can-access-deleted-and-private-repo-data-github GitHubでの一般的なワークフローとして、「新しいフォークを作成する」「コミットする」「フォークを削除する」というものを考えてみます。 この時、削除したはずのフォークの中身を誰でも確認できてしまうとのこと。
2024年7月1日、OpenSSHの開発チームは深刻な脆弱性 CVE-2024-6387 が確認されたとしてセキュリティ情報を発出し、脆弱性を修正したバージョンを公開しました。この脆弱性を発見したQualysによれば、既定設定で構成されたsshdが影響を受けるとされ、影響を受けるとみられるインターネット接続可能なホストが多数稼動している状況にあると報告しています。ここでは関連する情報をまとめます。 概要 深刻な脆弱性が確認されたのはOpenSSHサーバー(sshd)コンポーネント。脆弱性を悪用された場合、特権でリモートから認証なしの任意コード実行をされる恐れがある。 悪用にかかる報告などは公表時点でされていないが、glibcベースのLinuxにおいて攻撃が成功することが既に実証がされている。発見者のQualysはこの脆弱性の実証コードを公開しない方針としているが、インターネット上ではPoC
Deleted articles cannot be recovered. Draft of this article would be also deleted. Are you sure you want to delete this article? TL;DR 2024/06/26 実害が出ているようです、polyfill.ioを利用している場合は直ちに利用を止めましょう。 GIGAZINE: JavaScriptライブラリ「Polyfill.io」にマルウェアが混入され10万以上のサイトに影響 Codebook: Polyfill.io使ったサプライチェーン攻撃でサイト10万件以上に影響 polyfill.ioから配信されるスクリプトが汚染される環境下にあり、危険な可能性があります。利用している方がいらっしゃいましたら外しておくことをおすすめします。または安全なバージョンのものが
by Sansec Forensics Team Published in Threat Research − June 25, 2024 The new Chinese owner of the popular Polyfill JS project injects malware into more than 100 thousand sites. Update June 28th: We are flagging more domains that have been used by the same actor to spread malware since at least June 2023: bootcdn.net, bootcss.com, staticfile.net, staticfile.org, unionadjs.com, xhsbpza.com, union.m
こんにちは、 @okazu_dm です。 前回の記事 に引き続きCookie関連のセキュリティに関する記事となります。 今回は、Cookieの仕様を定めたRFC6265(https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc6265)自体に含まれるSecure属性の問題点と、その対策について紹介していきます。 CookieのSecure属性自体は前回紹介したSameSite属性と比較してわかりやすいのもあり、かなり知名度が高いと思われますが、Secure属性単体で守れる範囲というのは実は限定的である、という点を本記事では実験も交えて示していきます。 なお、本記事はセキュリティ以外の分野を主業務とするソフトウェアエンジニアを主な想定読者として書いています。 記事内の検証につかったブラウザのバージョン Cookieについて 中間者攻撃の仕組み 実際に中間者攻撃をして
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。 こちらの記事は、以前(2016年11月)に書いた記事の更新版となります。 ここでは、Linux上で動作するAntiVirusを簡単にまとめ、各AntiVirusの性能面を実際にテストしたホワイトペーパーを紹介します。 Linux上のAntiVirusの必要性筆者もかつてAntiVirusベンダーにエンジニアとして居たことから、よく「LinuxにAntiVirusは必要なのか?」と聞かれることが有ります。 Linux上でのAntiVirusの必要性について、筆者の考える所は以下になります。 ユーザへのシェアの問題で対象外なだけだがLinuxでもMalwareは増加している MacOSなどの議論でもよく言われていますが、LinuxはやはりWindowsに比べてデスクトップPCとしての普及率は圧倒的に少ないです。 OSのシ
Webサイトを見ると、「Cookie(クッキー)」使用への同意を確認するバナーが出てきたことはないでしょうか? 少し、うざったくも見えるこのバナー。なぜ、最近こうした表示が増えてきたのでしょうか。専門家に聞きました。 Cookie使用の同意を求めるバナーの例(電通公式サイト) そもそも、「Cookie」とは何でしょうか。「Cookie」とは、閲覧したWebサイトのサーバーから発行され、ユーザーのコンピューターなどの中に預けておくファイルのことです。Cookieによって、ユーザーがWebサイトで入力した情報やサイト内のどこを閲覧しているのかといった情報などを、サイトの運営や広告配信業者などが取得することができます。 SNSなどへのログイン状態を維持したり、通販サイトで買い物かごに入れた商品がWebサイトをいったん離れても再表示されたりするのは、Cookieによるものです。一方、企業側もCoo
開発部のにゃんです。主にバックエンドを弄っております。 Webアプリケーションではセキュリティ対策のためにランダムな文字列を使用する場面が多々あります。例えば CSRF対策のトークン OAuthやOpenID Connectで使用するnonce, state, code_verifier メールの到達確認用URLのトークン パスワードをhashする際に使用するsalt セッションID これらの値は単に衝突しなければOKというものではありません。十分なセキュリティ強度を確保するためには推測不可能なランダム値を使う必要があります。 以下は推測不可能なランダム値ではありません。セキュリティが求められる場面では使ってはいけません。 Math.randomなどの疑似乱数 日付やユーザ情報のハッシュ ではどのような値が適切なのでしょうか? /dev/randomと/dev/urandom Linuxに
すっかり間があいてしまいました。ごめんなさい。今回のテーマは Unicode 文字列の比較です。 文字列の比較には、プログラミング言語によっては s1 = s2 のように簡単な演算子で比較できる場合もありますし、strcmp や StrComp のような関数を呼び出す必要があるかも知れません。そんななかでも今回取り上げるのは、Windows API の CompareString です。実際には、Unicode 同士の比較ですので、CompareStringW ですね。 さて、CompareString 関数には第2引数 dwCmpFlags で比較の条件をいろいろ変更することができます。一般的によく使われそうなのは、大文字小文字を無視して文字列を比較するためのフラグ NORM_IGNORECASE でしょうか。 実際に、この NORM_IGNORECASE フラグを指定して a-zA-Z
The core engine providing runtime insights to the Sysdig platform
はじめに 中山(順)です 4年ほど前にこの記事のタイトルと同じテーマで資料を作成したことがあるのですが、古い内容があったり新しいサービスのことが含まれていなかったりするので改めてまとめてみました。令和だし! その時の資料はこちらです(クラスメソッドにジョインするくらい2年前です)。 AWSアカウントを作ったら最初にやるべきこと サインアップ (業務利用の場合)非個人メールアドレスでサインアップ サポートプランの確認 ID管理 / 権限管理 CloudTrailの有効化 ルートアカウントのMFA設定 IAM User / IAM Groupの作成 パスワードポリシーの設定 GuardDutyの有効化 Security Hubの有効化 請求 IAM Userによる請求情報へのアクセス許可 支払通貨の変更 Budgetの設定 Cost Explorerの有効化 Cost Usage Report
Kubernetesでの性能解析 ~なんとなく遅いからの脱却~ (Kubernetes Meetup Tokyo #33 発表資料) 2020/08/26 NTT DATA Yasuhiro Horiuchi
Cookpad techconf 2018のLTで講演した資料です
WebRTCセキュリティレポート あらまし WebRTC(Web Real-Time Communication)は、Webアプリケーション技術の昨今のトレンドの一つだ。WebRTCを利用すると、プラグイン無しで、また他の条件も無しでリアルタイムコミュニケーションを実現できる。だが、そのオープンソースとして性質から、WebRTCを採用しようとする人がセキュリティ上の不安を覚えることもあるだろう。本レポートはWebRTCのセキュリティについて明らかにし、他の技術と比較してWebRTCのセキュリティが優れていることを解説する。 1. 導入 WebRTCはオープンソースのWebベースの技術であり、ユーザがリアルタイムメディア通信を、プラグイン無しで実現可能な技術だ。適切なブラウザを利用すれば、ウェブサイトをブラウズするだけで、他者に発信して通話することができる。 WebRTCの主なユースケースは
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