個人情報保護委員会(個情委)は2024年3月、ランサムウエア被害に遭った社会保険労務士向けクラウド業務システム「社労夢(Shalom)」などを運営するエムケイシステム(エムケイ社)に行政指導をした。 同時に個情委は、社労士事務所や企業にも注意喚起を公表した。約57万件もの事業所が認識の薄いまま従業員データをエムケイ社に委託し、結果的に同社への監督が不十分だった可能性があるとしたためだ。 エムケイ社では、2023年6月にランサムウエア攻撃で最大約2242万人分の個人データが暗号化されて漏洩などの恐れが発生した。同社との間で利用契約を結ぶ直接のユーザーは社労士事務所などだ。個々の社労士事務所が、顧問契約などを結ぶクライアントの企業や事業所の従業員に関する、社会保険・雇用保険の申請や給与計算、人事・労務管理といった業務に利用している。 取り扱う個人データは社労士のクライアントである企業や事業所な