観光客が泊まれる施設の不足に悩む奈良県が、国の名勝・奈良公園に高級ホテルを誘致する事業に乗り出した。開発が制限されている「一等地」を都市公園に編入し、建設を可能にする窮余の策で、東京五輪前の開業を目指すが、一部の住民は「閑静な環境が壊される」と反発している。 奈良県は全国有数の観光地でありながら宿泊施設の客室数が全国で最も少ない。外国人観光客が増える一方、大阪や京都に近いため通過する客が多く、2015年の延べ宿泊者数は255万人で全国ワースト2。観光資源を活用するには滞在できる環境の整備が課題だった。 計画地はほとんどが以前からの県有地。原則的に開発できない市街化調整区域にあり、十分に活用されていなかった。このため、宿泊施設の建設が認められている都市公園法に基づく「県立都市公園 奈良公園」に編入して建設を可能にする。一部はすでに編入。残りの民有地の購入などを進め、3月ごろには手続きが完了す
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