北海道・朱鞠内の記憶/上 「目の前で朝鮮人が殺されたんだ」。8月中旬、東アジアの平和構築や交流を目的に、幌加内町朱鞠内で開かれた「東アジア共同ワークショップ」(WS)。参加者約100人の中で最高齢の日本人男性(89)=札幌市=はマイクを手に取り、少年時代の体験を静かに語り始めた。 1942年4月。幌加内村(現幌加内町)の朱鞠内国民学校2年生だった男性はその日、いつもより早く学校から帰宅した。両親は下宿屋を営んでいたが、父は旧満州(現中国東北部)へ出征し、母は実家に帰っていたため、家には一人だった。 トイレで用を足そうとした時、窓の外にふと目を向けると、日ごろ仲良く遊んでくれていた朝鮮人労働者の青年2人が後ろで手を縛られて立っていた。向かいには刀を下げた憲兵2人がいる。1人の青年と目が合う。視線に気がついた憲兵がこちらへ振り向いたすきに、青年たちは逃げ出そうとした。その瞬間、憲兵が背後から青
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