サイエンス どこでもサイエンス 第291回 「テクネチウム」 周期表で銀の手前なのに、自然界に存在しないひねくれた奴
現在大ヒット上映中の『シン・ゴジラ』。公開3週目で動員は230万人、興行収入は33億円を突破した。これはフランク・ダラボン、デヴィッド・S・ゴイヤーらが脚本を手がけた2014年公開のギャレス・エドワーズ監督作『GODZILLA ゴジラ』の日本での興収を上回る数字で、まさに破竹の進撃を続けている。 シン・ゴジラ 【キャスト・スタッフ】 長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ 脚本・総監督:庵野秀明 監督・特技監督:樋口真嗣 准監督・特技統括:尾上克郎 音楽:鷺巣詩郎 全国東宝系にてロードショー (C)2016 TOHO CO.,LTD. 本作は怪獣映画、もっと言ってしまうと「ゴジラ映画」の様式/形式においては、オールドなファンに気を遣ってか、実験的なアプローチを採用せず、それよりも内容/主題に重きが置かれている。また本作をある種の寓話として捉えた場合、その解釈の方向はほぼ一通りしかないので、誰が見
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月24日、文部科学省・宇宙開発利用部会の第三者委員会において、X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の事故について、詳細な報告を行った。JAXAは設計段階まで遡り、事故の要因を分析。そこで見えてきたのは、安全性や信頼性に対する意識の低さだ。ひとみ1機だけの問題ではなく、組織の体質まで問われそうだ。 この第三者委員会は、JAXAがまとめた要因分析を技術的観点から検証するため設置されたもの。初開催となる今回は、異常が発生したメカニズムの要因分析について議論され、対策や改善事項については次回の議題となる予定だ。 2重のミスが衛星の致命傷に 前回のレポートの時点で、事故のメカニズムについてはほぼ明らかになっていたが、今回JAXAは、全87ページからなる詳細な調査報告書を提出。何が起きていたのか、より詳しい状況が見えてきた。今回明らかになった点について、まずはま
東京工業大学は3月18日、水素の陰イオンであるヒドリド(H-)がイオン伝導する新物質を開発したと発表した。 同成果は、分子科学研究所 小林玄器特任准教授、東京工業大学大学院 菅野了次教授、京都大学大学院 田中功教授、高エネルギー加速器研究機構 米村雅雄特別准教授らの研究グループによるもので、3月18日付けの米科学誌「Science」に掲載された。 イオンが拡散することで電気伝導が生じるイオン伝導体は、二次電池や燃料電池の基幹材料として電極や電解質に用いられる。現在は、プロトン(H+)やリチウム(Li+)を伝導する物質が実用材料として開発されいるが、H-を電気伝導の担い手とするイオン伝導体を蓄電・発電反応に利用することができれば、高電位・高容量のエネルギーデバイスを実現できる可能性がある。 同研究グループは今回、La-Li系の酸水素化物La2LiHO3のLaをSrで置き換えると、H-濃度と結
リスクモンスターは3月28日、「離婚したくなる亭主の仕事」調査の結果を発表した。対象は20~49歳の男女600名。期間は2016年1月23日~24日。 夫の仕事に「不満がある」妻は48.3% 女性に対して「夫の仕事に対する満足度」を聞いたところ、48.3%が「不満がある」、51.7%が「不満はない」と回答した。 夫の年収別に「不満がある」の割合をみると、65.2%で「300万円~400万円」が最も多くなった。次いで「400万円~500万円」(62.1%)、「300万円未満」(50.0%)と続いた。 一方、「不満がない」の割合をみたところ、「1,500万円以上」「1,000万円~1,500万円以上」(ともに100.0%)で最多となった。次いで、「800万円~1,000万円」(75.0%)、「500万円~600万円」(61.7%)、「600万円~800万円」(57.1%)が上位にあがった。 女
理化学研究所(理研)は1月28日、日本人約4万人を対象にゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った結果、日本人の2型糖尿病の発症に関わる7つの疾患感受性遺伝子領域を同定したと発表した。 同成果は理研統合生命医科学研究センター腎・代謝・内分泌疾患研究チームの前田士郎 チームリーダー(琉球大学医学研究科 教授)、今村美菜子 客員研究員(琉球大学医学研究科 准教授)と東京大学大学院医学系研究科/東京大学医学部附属病院の門脇孝 教授らの共同研究チームによるもの。1月28日に英国科学誌「Nature Communications」に掲載された。 2型糖尿病は、生活習慣などの環境要因とともに遺伝要因が発症に関与することが知られている。これまで、疾患感受性遺伝子を見つける代表的な手法であるGWASを使って、数多くの2型糖尿病の疾患感受性遺伝子領域が報告されている。しかし、その多くは欧米人を対象に行われた解
茨城県警察はこのほど、所轄署の署長や本部の刑事部長ら78名の幹部職員全員が「イクボス宣言書」に署名したと発表した。同県警察は、いつ起こるかわからない事件・事故の対応に追われるなか、どのようにワークライフバランスを実現しようと考えているのか。担当者に聞いた。 幹部職員の意識改革が子育てしやすい職場作りにつながる 「イクボス宣言書」は、ワークライフバランスが実現できる職場作りを目的として、同県警察が作成したもの。宣言書には、「職員が仕事と家庭を両立できる働きやすい職場環境を作り…(中略)…自らも仕事と私生活を充実させる『イクボス』となります」と書かれている。 なぜこのような取り組みを実施したのか。この点について警務部の担当者は、「この年代の職員には、これまで仕事一筋に打ち込んできた人が多い」と指摘。ワークライフバランスを推進するためには、職員が休暇を取りやすいよう、幹部職員の意識改革を徹底する
Googleは9月22日(米国時間)、「Google Open Source Blog: Introducing Brotli: a new compression algorithm for the internet」において、新しい圧縮アルゴリズムおよびその実装系「Brotli」を発表した。実装系はApache License Vresion 2.0の下、オープンソース・ソフトウェアとして公開されている。 Googleは2年前にZopfliと呼ばれる圧縮アルゴリズムを公開している。ZopfliはDeflateと互換性を持っていたが、今回発表されたBrotliはまったく新しいデータフォーマットを採用しており、Zopfliと比較して20%から26%ほど圧縮率の引き上げに成功している。また、BrotliはzlibのDeflate実装と同程度の速度を実現しているほか、Canterbury co
モバイル管制、人工知能、そして日本の固体ロケットの良き伝統――。さまざまな話題と共に、「イプシロン」ロケットの1号機が打ち上げられたのは、今からちょうど2年前の、2013年9月14日のことだった。大勢の人々に見守られながら、内之浦宇宙空間観測所を離昇したイプシロンは、搭載していた衛星「SPRINT-A」(のちに「ひさき」と命名)を無事に予定通りの軌道に乗せ、華々しいデビューを飾った。 そして現在、この1号機より能力を高めた「強化型イプシロン」の開発が進んでいる。この「強化型」で、イプシロンはどのように変わるのだろうか。 連載の第1回となる今回は、イプシロンが先代のM-Vロケットから、どう変わることを目指して開発されたのかについて見ていきたい。 M-Vを継ぐもの 「イプシロン」ロケットは、2006年に引退した「M-V」ロケットの後継機として、そして糸川英夫博士のペンシルから続く、日本の固体ロ
JR東日本とびゅうトラベルサービスはこのほど、完全貸切とした寝台特急「カシオペア」の車両で行く3泊4日の旅「カシオペアクルーズ」第7弾を発売した。上野駅を出発して日本海側から北海道道南をまわり、復路は太平洋側を通るルートとなる。 ツアーは10月17日に上野駅を出発。車窓から日本海の眺望を眺めつつ北上し、あつみ温泉で入浴を楽しむ。昼食は魚沼産コシヒカリを使った「HATAGO井仙」の料理、夕食は山形のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田シェフが作るツアー限定のディナーとなる。1日目は車中泊となり、翌朝に函館駅に到着。2日目は函館山山頂のレストランでの朝食から行程をスタートし、函館市内や近隣の観光を楽しんだ後、ニセコ・花園温泉または登別温泉に宿泊する。 3日目には青森へ向かい、浅虫温泉海扇閣での入浴、青森市内と近郊の観光、青森県の旬の食材を使った「日本料理 城」での夕食を楽しみ、車中
ESSPRIDEはこのほど、「ビジネスにおけるイケメンの効果とは?」をテーマとした調査を実施し結果を発表した。調査は7月24日~29日、全国の20~49歳で勤務先に自慢のイケメンがいる女性会社員600名(各年代200名)を対象に、インターネットで行われた。 イケメン= 顔がかっこいい・笑顔が素敵 調査ではまず、どのような点が「イケメン」だと思うか尋ねたところ、「顔がかっこいい(79.8%)」がダントツの1位に。次いで「笑顔が素敵である(42.7%)」と続き、顔に関する項目に票が集まる結果となった。そのほか年代別で見ると、外見以外の要素として、20代は「仕事ができる」、30代は「清潔感がある」、40代は「礼儀正しい」男性も、それぞれイケメンの要素としていることがわかった。 社内の男性を「イケメン」だと思った瞬間について教えてもらうと、「重い荷物をサッと持ってくれたこと」(35歳)、「人がご飯
東京大学(東大)と東京工業大学(東工大)は6月26日、大腸菌が餌に反応する際に生体内で情報が果たす役割を定量的に解明することに成功したと発表した。 同成果は、東大 工学系研究科の沙川貴大 准教授と東工大 大学院理工学研究科の伊藤創祐 日本学術振興会特別研究員らによるもの。詳細は、英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。 物理学者マクスウェルが示唆した「マクスウェルの悪魔」は、熱力学第2法則を破ることができることを示したものだが、長い間パラドックスであると考えられていた。しかし、近年、実際に実験により、この悪魔を実現できるようになったほか、「情報量」の概念を熱力学に取り入れることで、悪魔が熱力学第2法則と矛盾しないことも明らかになり、そこが情報処理過程にも適用できるように拡張された熱力学「情報熱力学」の発展につながっている。この情報熱力学を用いることで、分子レ
写真を撮るのが好きだけど、なかなか上達しなかったり、撮った写真を見てもうちょっと何とかならないかしらと思うこともあることでしょう。 最近はカメラ内設定でも豊富なフィルターがデフォルトで用意されていたり、スマホカメラでもアプリで簡単に自分のイメージに近づけることができますね。 ただそれだけじゃ足らない、なんかもうちょっとこだわったり、写真撮影をもっと全体的に楽しみたい、でもあんまり難しいのは大変だからなあとお悩みの方、お待たせしました。 これからご紹介する撮影テクニック(全3回)は、Youtubeで公開された7 Simple Photography Hacksから誰でも簡単にできるものを3つ選んで、実際どうなるのかの検証と少し応用を載せてお伝えしたいと思います。ぜひ試してみてくださいね。
生物には驚くべき能力が秘められている。磁性細菌の磁気微粒子合成に関与するタンパク質(酵素)を見いだし、これまでに知られていなかった磁気微粒子の結晶の形を制御する仕組みを、東京農工大学大学院工学研究院(東京都小金井市)の新垣篤史(あらかき あつし)准教授と大学院生の山岸彩奈(やまぎし あやな)さんらが解明した。 今回見つかった酵素を遺伝子工学的に利用すると、ダンベル状やロッド状など新しい形の磁気微粒子が合成できることも示した。7月の米科学誌Molecular Microbiology オンライン版に発表。多様な形のナノ磁石を大量合成して、医療分野の検査試薬、磁気記録媒体の材料、ポリマー合成の触媒に応用するなどの産業化にも道を開く成果として注目される。 細胞内に鉄分を取り込んで独自の磁気微粒子の結晶を合成し、それを鎖状に並べて磁石として使ったりする磁性細菌は川や海の泥の中にごく普通に存在する。
大阪大学(阪大)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や遺伝性脊髄小脳変性症、パーキンソン病などの発症の鍵を握るタンパク質「Ataxin-2」が、RNAの安定性を制御する役割を担っていることを発見したと発表した。 同成果は、同大大学院医学系研究科ゲノム生物学講座(神経遺伝子学)の河原行郎教授らによるもの。詳細は米国科学誌「Molecular Cell」電子版に掲載された。 これまでの研究から「Ataxin-2」が神経変性疾患に関連していることまでは分かっていたが、具体的にどのような機能を持っているのか不明のままであった。 今回、研究グループは次世代シーケンサを活用することで、「Ataxin-2」がRNAに結合するタンパク質であることを発見したほか、結合しているRNAを網羅的に決定することに成功したという。また、結合している部位などから機能を予測し、「Ataxin-2」がRNAの安定性を促進するタ
画像はイメージ 今日の注目Q&A 「プールに通っています。週末によく家族で行くのですが、結構な頻度で乳液とか化粧水とかトリートメントが盗まれます。施設に伝えても、「盗難はダメ!」という貼紙をするだけでした…。 ためしに乳液の空っぽの容器に漂白剤を入れておいたらあっけなく盗まれました。が、盗んだ人からクレームが入りました。泳いでいる私のところに来て「あんたの乳液!!なんか変な液体が入ってたんだけど!!」と…。見てみたら前髪は色が変な風になってましたし目も真っ赤で肌はなんか吹き出物みたいのができていました。 警察を呼んだのですが、まだ取り調べている最中です。盗んだおばちゃんは「絶対に訴えてやる!!」といっていました。これって何かマズイんですか?私はただ自分の乳液の容器に漂白剤を入れていただけなのですが。おばちゃんの言っていることがさっぱり理解できません」 【マイナビニュースQ&Aより抜粋】
早稲田大学(早大)は9月6日、「筋収縮系自励振動現象(SPOC現象)」を再現できる理論モデルの構築に成功したと発表した。これは、細胞膜のない筋タンパク質の集合体が自発的振動系であることを意味し、心拍機構に新しい視点を与えるものだという。 同成果は、同大理工学術院の石渡信一 教授、同 大瀧昌子 招聘研究員、同 島本勇太氏(現 Rockefeller大学博士研究員)、理化学研究所の佐藤勝彦博士、国際高等研究所の蔵本由紀副所長らによるもの。詳細は、国際物理科学雑誌「Physical Review Letters」に掲載された。 骨格筋や心筋といった横紋筋の収縮系(細胞膜を除去した筋タンパク質集合体)は、ATP(アデノシン3リン酸)加水分解酵素であるミオシン分子モーターと、アクチン(細い)フィラメントが整然と配列したサルコメア(筋節)が、多数直列に連結した力発生装置であることが知られている。 この
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