廃棄カツは1万枚以上が弁当店に横流しされ、おかずに使われていた。300円を切る安さを競い合う格安弁当。その食材に、廃棄品がなぜ紛れ込んでしまったのか。舞台裏を探った。 平日の昼時。名古屋市の繁華街にある弁当店に、空揚げやカツ、焼き魚など24種類の弁当が並んだ。すべて税込み270円だ。 「安いし、毎日きても飽きない」と常連の男性(55)。サラリーマンやタクシー運転手が次々に訪れ、弁当の山がなくなると、厨房(ちゅうぼう)からすぐに補充される。 経営者によると、弁当の原価は「40~45%以内が目安」という。1個当たり120円程度で、ご飯、付け合わせ、容器代などを差し引くと、メインはその半分「60~70円に抑えたい」。 その日に安く仕入れられた食材でメニューを考える。食材費がかさんだ時は量を減らし、ソースやカレーをかける。 賞味期限が近い、形が整っていない、在庫処分など「訳あり品」も仕入れる。今回