名古屋で出されている『時局』という雑誌でインタビューを受けた。掲載誌が送られた来た。あまり手に取る機会のない媒体であるはずなので、一部加筆修正した上で掲載する。 ―― 大学を退職後の昨年十一月に合気道道場「凱風館」を開かれましたが、内田先生にとって合気道はどんな存在ですか。 内田 大学卒業後、25歳から始めて、稽古に打ち込むようになったのですが、「稽古ばかりやっていてはダメだ」と大学の先生からは言われました。研究者になるつもりなら、寝食を忘れても研究に打ち込んだらどうか――と。でも、夕方六時になると、どうしても全部放り出して稽古に行ってしまう。そんな生活を十五年続けていました。 合気道の稽古と専門の研究の間には本質的な繋がりがあるということを、本人は確信しているんですけれど、言葉では説明できない。三十年くらいやったところで、「研究でやってきたことと、道場でやってきたことは、実はまったく一つ