日本の地方都市を「第二の故郷」と愛しむイスラム教徒がいる。地元密着で楽しく逞しく暮らす、「彼ら」に会いに行ってみた。 東武伊勢崎線の館林駅から歩くこと10分、目的地は拍子抜けするほどあっさり見つかった。判子店の隣に、「クバモスク」と書かれた看板を掲げた、二階建ての建物。中に人がいるのが見えたので、恐る恐る声をかけると、白い民族衣装に、黒々とした顎鬚の男性が現れた。名前はイスマイルさん。ミャンマーの出身だという。 「イスラム教徒なのに、ミャンマー人?」 私の不思議そうな顔を見たイスマイルさんは、「館林市には『ロヒンギャ』というミャンマーのイスラム教徒が多いんです」と教えてくれた。一見、強面ふうだが、実は話好きな人のようだ。 このモスクでは、毎週土曜日の夜に信者たちが集まり、礼拝の後に食事会をしているという。翌週また来る約束をしたが、せっかくなので、イスマイルさんが経営しているというハラールフ