■ 出版年と装丁について 1985~1986年(昭和60~61年)全三巻。 連載時の内容に大幅に加筆しており、連載時の月の切れ目もわかりずらく工夫されている。 ハードカバーの装丁で、三巻とも内田さんの美しい表紙イラストがまず印象的で、そのレトロな絵を見るだけで、気分が静かに高揚してきます。 中には、カラーイラストも挿入されている豪華本装丁。 ■ あらすじ 主人公は男性二人。ヒューとウラジーミル。 ウラジーミルは、帰るところを持たないロシア人であり、世界中に広大な館をいくつも有している家系に生まれながら、現在は世界中を旅している。 物語の冒頭ウラジーミルと再会したヒューは「自分が見る奇妙で不思議な夢の話」をする。 最初は「夢の話」を空想ととらえていたウラジーミルだったが、夢を見たまま戻って来れなくなった人間の話や胡蝶の夢の話などを聞く内に、不安な気持ちにさいなまされる。 そんな中、ヒ