財源のない減税を巡る議論が米議会で本格化する前から、米国債投資家は明確かつ声高にメッセージを発している。米政府が歳入を上回る支出を続けるなら、重大な結果を伴うことになるというメッセージだ。 格付け会社ムーディーズ・レーティングスがついにしびれを切らし、米国の信用格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から引き下げたが、これは案の定と言うべきだろう。ムーディーズは、政治が深刻な二極化に陥る中で、長年繰り返される債務増加と財政赤字のパターンに改善の兆しが見られないと指摘した。 米国が赤字にどっぷり漬かっていることを踏まえれば、ムーディーズの決定に意外感はなく、S&Pグローバル・レーティングなど他社は既に米国の格付けを引き下げている。それでもムーディーズの格下げに投資家は反応し、19日の取引で米30年債利回りは5%を超えた。 これは、金融市場関係者の間で以前からささやかれてきた懸念を裏付ける
