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→紀伊國屋ウェブストアで購入 「現代詩と匂い」 現代詩の書き手として、谷川俊太郎はおそらくもっとも有名な人だ。ほとんど詩など置いてないような町の本屋さんでも、谷川詩集だけは何冊も置いてある。ふだんは滅多に詩など載らない新聞でも、谷川の詩だけはでかでかとスペースをとって掲載されている。国語の教科書でも定番。小学校、中学校、高校と何度となくその作品と出会う。 これだけ有名なのだから、きっと谷川俊太郎は詩そのものなのだ、と思いたくなるところだ。彼こそ、ザ・口語自由詩。日本語の「詩」を象徴する存在なのではないか、と。ピラミッドの頂点にいる人なのではないか、と。しかし、それは大きな間違いだ。彼はほかのどの詩人とも似ていないし、そういうピラミッドとか、象徴とかいうくくり方とも無縁である。 現代詩にとっては谷川俊太郎はむしろ困った存在かもしれない。他の詩人についてあれこれ説明しても、谷川についてだけはう
1972年イングランド生まれ。2009年『都市と都市』でヒューゴー賞を含む主要SF賞を独占。2011年に刊行された本書でもローカス賞を受賞し、英国のみならず現代SFを代表する作家として世界的に注目される。 早川書房 2100円(税込) 英国SF界の最前線に立つチャイナ・ミエヴィルの傑作である。ここで、SFのSはサイエンスを指し、ソーシャルも指す。このふたつの融合においてミエヴィルと肩を並べる書き手は今のところ存在しない。 本書の舞台は、奇妙な言葉をあやつる先住種族の住む辺境の惑星。相手の言葉はわかるのだが、その言葉を話すためには「大使」と呼ばれる特別に育成された人間が必要である。そしてまたこの先住種族の言葉はなんと、嘘をつくという機能を持たない。 異種族同士の共同体と、非対称にしか交渉のできない先住民。その状況に、かつての帝国としての国民に加え、英語を話さない新たな移民たちを迎えつつある英
■苛酷な歴史に立ち向かう 今年3月にナイジェリアのチヌア・アチェベが82歳で亡くなった。『崩れゆく絆』(古川博巳訳、門土社、品切れ)の原著は1958年の出版。現代アフリカ文学の始まりを告げる画期的な小説である。英語圏では中高生の必読書に指定されている。ぜひ主人公オコンクオの物語を読んでもらいたい。 アフリカは苛酷(かこく)な歴史を生きてきた。奴隷貿易、植民地支配、内戦、飢餓、政治的混乱。アフリカ文学が立ち向かわなければならない課題となった。 最初期のものにオラウダ・イクイアーノ『アフリカ人、イクイアーノの生涯の興味深い物語』(久野陽一訳、研究社、3570円)がある。1756年ごろ、西アフリカの村で11歳の少年が奴隷狩りに遭う。ある商船の船長に買い取られた彼は北米の入植地や西インド諸島を行き来する交易に従事する。やがて自由の身となり、イギリスに渡った彼は自身の体験と見聞を綴(つづ)った本書を
ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」はごく控えめに言って、ドーキンスの「利己的な遺伝子」だとかジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」と同じくらいか、それ以上に広く読まれるべき大変重要な一般向け科学書ですが、まあ、それはそれとして。 伊藤計劃「ハーモニー」が好きな奴は全員「ファスト&スロー」読んでおけ、というのが本エントリの結論です。 簡単に内容をまとめますと、「ファスト&スロー」は、人間の判断と言うものが如何にいい加減で非合理的で根拠がなくてそのくせ自信満々であるかを、これでもかこれでもか、えい、これでもか! と論じた上で、それは人間に備わった特性であるから逃れることなど不可能でお前は絶望に苛まれながら滅んでいくのだ、というのを、「ノーベル経済学賞受賞」という肩書を利用してビジネス書のふりしてみんなに読ませてしまおうという、大変に悪の秘密結社的な企みであります。 人間は非合理的なの
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