子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える15~22歳の女性64人が27日、国と製薬会社2社に総額9億6千万円の損害賠償を求め、東京、大阪、名古屋、福岡の4地裁で一斉に提訴することが決まった。子宮頸がんワクチンの薬害訴訟東京弁護団が12日、会見で明らかにした。 弁護団によると、女性たちはワクチンを接種した後、失神や歩行障害、視覚障害、記憶障害など多数の症状が出た。適切な医療が受けられなかったり学校に通えなくなったりしたという。海外で重い副作用の報告事例があり、国は健康被害を予見できたにもかかわらず、回避措置を怠ったと主張。製薬2社には製造した責任などを問う。1人あたり少なくとも1500万円の賠償を求めるという。 集団提訴することを3月に明らかにした時点では、提訴の意思表明をした女性は12人だったが、全国で原告を募ったところ、64人に増えた。症状が重く、提訴に踏み切れなかった人もいる