著者:出河 雅彦出版社:同時代社装丁:単行本(ソフトカバー)(260ページ)発売日:2023-11-30 ISBN-10:488683955X ISBN-13:978-4886839558 介護現場で何が 先入観覆す綿密な検証昨年末の「この三冊」企画で、その一冊として本書に触れたが、書評対象にすべき書物の刊行時期が、ぎりぎりの十一月末でのことで、書評欄で取り上げる暇がなかったこともあって、重ねて取り上げる。 ある特養高齢者施設の看護職員(准看護師)が、二〇一三年一二月に施設利用者の一人(八五歳の女性、Aさんとしよう)にお八つとしてドーナツを提供した際に、食後(中)体調不良(意識を失う)となり、結局一カ月後に亡くなった。この出来事を巡って、遺族の訴えもあって、看護職員が訴追され、一審では、検察側の「注視義務違反」という主張が認められ有罪となった。弁護側の請求による高裁での二審では、逆転無罪で
ホラーのプロが選んだ「本当に怖いベスト20」が紹介されている。 ホラーのプロとは、ホラー作家だったり編集者だったり、海外ホラーの翻訳家だったりホラー大好きな書店員だったりする。ベスト20のラインナップを見る限り、相当の目利きであることが分かる。 これがtwitterの人気投票だと、どうしても「売れてるホラー」に偏る。ベストセラーとは普段読まない人が買うからベストセラーになるのだから仕方がないのだが、どこかで見たリストになってしまう。 「売れてる」要素も押さえつつ、なぜそれが怖いのか、どうしてそれが「いま」なのかといった切り口も併せて説明しているので、流行に疎い私には重宝する一冊だった。 いまのホラーはモキュメンタリー(Mockumentary)が一大潮流だという。実際には存在しないものや、架空の出来事を、ドキュメンタリー形式で描くジャンルだ。実話系怪談や、ファウンド・フッテージ(撮影された
隠岐さや香さん(東京大学教授) ①パイドロス(プラトン著、藤沢令夫訳、岩波文庫・935円) ②植物と帝国(ロンダ・シービンガー著、小川眞里子、弓削尚子訳、工作舎・4180円) ③危機の中の学問の自由(羽田貴史、広渡清吾、水島朝穂、宮田由紀夫、栗島智明著、岩波ブックレット・682円) 夏空の下で鳴く蟬(せみ)は、①によると寝食を忘れて歌い続けた人の生まれ変わりだそうだ。哲学の古典である本書は読みやすくはないが、随所に不朽の煌(きら)めきがある。特にソクラテスが「神々から与えられる狂気」として恋を語る場面は美しい。 ②はフェミニズムの視点からの科学史書。近代科学の発展する18世紀の欧州では、カリブ海から伝えられた中絶薬の普及がむしろ妨げられ、女性の身体に関する無知が作られたという。知識は差別的な思想により抹殺されることもある。 自由な知を保障する「学問の自由」が実は人権の問題でもあることは意外
Published 2024/07/17 14:26 (JST) Updated 2024/07/17 18:11 (JST) 毎日新聞社は17日、富山県での新聞の配送を9月末で休止すると発表した。全国47都道府県に配送網を保ってきた同社の休止は初めて。印刷と輸送コストが増大したことに加え、県内での発行部数の減少で配送体制の維持が困難になったためとしている。富山支局を拠点に県内での取材体制は維持し「全国紙としての役割を果たしていく」とアピールした。 17日付朝刊の北陸地区版で社告を出した。コンビニなどでの1部売りもやめる。富山では朝刊のみの発行で、2023年時点では推計約840部を販売していた。 県内の読者に対しては、デジタル版への移行を促し、郵送での購読も可能とした。
Books Just Read the Book Already Digital culture doesn’t have to make you a shallow reader. But you have to do something about it. Not long ago, a cognitive neuroscientist decided to perform an experiment on herself. Maryanne Wolf, an expert on the science of reading, was worried—as perhaps you have worried—that she might be losing the knack for sustained, deep reading. She still bought books, she
1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊 作者: マイケル・ルイス 出版社: 日経BP 日本経済新聞出版 発売日: 2024/6/26 この『1兆円を盗んだ男』は、『マネー・ボール』や『最悪の予感』などで知られるマイケル・ルイスの最新作。今回彼がテーマに選んだ人物は暗号資産取引所FTXを立ち上げ莫大な富を築き上げた後、2022年に逮捕されてしまった男サム・バンクマン=フリードだ。 マイケル・ルイスといえば複雑な題材であっても見事な一本筋の通ったストーリーに仕立て上げるノンフィクションの名手だ。しかし、本書ではさすがにそうもいかなかったらしい。最終的には年間で10億ドルもの利益をあげるようになり、20代で長者番付にも名を連ねた暗号資産の若き天才に幼少期から迫る──というプロローグながら、マイケル・ルイスの取材中にFTXは破産。 その後、サムはFTXの破産と関連した詐欺やマネーロンダリングを
優等生の弟がなぜ見捨てられた? 移民社会の孤独を描く文芸ミステリ『偽りの空白』(トレイシー・リエン、吉井智津訳)訳者あとがき 6/19発売 オーストラリア出身の作家、トレイシー・リエンによる文芸ミステリ『偽りの空白』を2024年6月19日に早川書房より刊行します。 本書は、2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれた『われら闇より天を見る』著者のクリス・ウィタカーと、『消失の惑星【ほし】』著者のジュリア・フィリップスが熱い賛辞を送っています(後述)。 さらに、2022年に原書が刊行された当初から注目を集め、パブリッシャーズ・ウィークリーなど有力媒体による年間ベストブックに選出されるほか、ロサンゼルス・タイムズ文学賞ミステリ/スリラー部門の最終候補作に選ばれ、国際的なベストセラーとなりました。 その読みどころを、訳者の吉井智津さんに語っていただきます。 『偽りの空白』トレイシー・リエン、吉
『ポストコロナのSF』『2084年のSF』『AIとSF』につづく、日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第4弾。先行する三冊にくらべ、『地球へのSF』という括りかたは曖昧だが、そのぶん多彩な作品が集まったとも言える。「まえがき」で同クラブ会長の大澤博隆さんは、〔そもそも「地球」をテーマに視線を飛ばせること自体が、SFの特技ではある〕と述べている。全二十二篇。 ディストピア的状況を描いた作品では、上田早夕里「地球をめぐる祖母の回想、あるいは遺言」が出色の出来。テラフォーミング途上の火星において、入植第一世代の祖母と火星生まれの孫との会話によって、地球が精神の自由を喪失した経緯が明かされる。それはいまの日本を蝕む格差・棄民・監視・情報統制の行きつく先にほかならない。火星に逃れたひとびとにも、その圧政の波がおよぼうとしている。この作品が扱っているものは、先週紹介したジョナサン・ストラーン編
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■展望(Perspective) 当該巻の時代・地域の全体をカバーする。当該巻の通史・枠組みを主として、なぜそのような巻の区切り方にしたかの意図なども論じ、つづく各論に対する方向性をしめす。 ■問題群(Inquiry) 「展望(Perspective)」で叙述したことのうち、とくに重要と思われるテーマを取り上げ、広がりをもちつつ論じる。当該巻で区切った時代・地域をバランスよく扱い、「展望」と合わせ読むことで、当該巻で扱う範囲全体がカバーされることを目指す。 ■焦点(Focus) 「展望」や「問題群」で扱ったことのうち、個別に焦点をあてて掘り下げたほうがよいトピック、あるいは両者で扱いきれなかった論点を拾い補完するようなトピックを論じる。同じトピックを扱う他巻「焦点」との接続も意識する。 【全24巻の構成】 責任編集:小川幸司 本講座の編集方針と構成……編集委員 ■展望(Perspectiv
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