今国会で最大の焦点となっている集団的自衛権の議論が与野党間で本格化してきた。そのような中で、「愚かな坊ちゃん」などと安倍晋三首相に批判的な発言を繰り返しているのが古賀誠自民党元幹事長だ。古賀氏は政界を引退しているものの、今でも宏池会(岸田派)の会合に出席し、隠然たる影響力を持っているとされる。発言の裏には、「ハト派」としての宏池会の存在感を増そうという意図も透けてみえる。 「愚かな坊ちゃん的な考え方だ」-。古賀氏は17日に横浜市内で行った講演で、安倍首相が憲法解釈をめぐって「最高責任者は私だ」と発言したことについて、こう批判した。解釈変更による集団的自衛権の行使容認についても「ルール違反、姑息(こそく)なことは絶対にやってはいけない」と反対の姿勢を明確にした。 集団的自衛権に関するこれまでの政府見解を一言で要約すれば、「わが国は国際法上保有はしているが、現行憲法では行使を禁じている」となる