前回記事では、曽野綾子氏たちが、産経新聞コラムの「炎上」事件の火元を朝日新聞だと誤断していると書いた。『歴史通』2015年5月号の「私たちを「炎上」させようとした「朝日」」を読むと、曽野氏も渡部氏も、あのコラムの内容は全く問題がなかったと考えていることが分かる。どうやら、国家意思による差別は駄目だが、個人の意思による差別は問題ないという認識らしい。 曽野 ここに住んではいけないという規制があり、ここに住まねばならないと強制される、それを守らなければ罰を受ける、それがアパルトヘイトです。私が言っているのは全然そうではない。アジア人ならアジア人、アフリカ人ならアフリカ人同士で住んだほうが楽でいいんじゃないですかというだけの話です。どこに住まねばならない、住んではいけないなんて言っていない。ましてそういう規則をつくれというのでもない。アパルトヘイトとはまったく違います。 渡部 ぼくが50年前にア