出版して半年間は公共図書館での貸し出しを猶予するよう求めていた作家樋口毅宏さんの小説「雑司ケ谷R.I.P.」(新潮社)をめぐり、高崎市立図書館は、筆者の意向を尊重し、刊行から半年後の8月25日までは同書の購入・貸し出しをしないことを決めた。 同図書館は「要望に法的な強制力はないが、樋口氏の意向をできるだけ尊重したい」とする文章を、ホームページや館内に出した。今後、他の著者が同様のお願いをした場合は「個別にそれぞれ判断したい」という。 樋口さんは「読んでもらうのはうれしいが、作家も生活しなければならない」とし、「雑司ケ谷…」の巻末に異例の「貸し出し猶予」を求めるお願いを入れていた。新潮社の担当者は「猶予を発表したのは高崎市立図書館しか知らないが、他の図書館からも問い合わせがあった」と話す。